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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

主要3大通貨のターニングポイント!

先週は米金利先高観測の高まりに終始した1週間であるが、今週はFOMCの本番を迎え、すでに織り込まれた0.25%の利上げを含めて、次回8月のFOMCでも更なる利上げを検証する意味合いでも注目度は高い週であり、先週と同様に波乱含みの展開は避けられない。米金利の決着を見る事は難しそうな情勢ではあるが、米国のインフレ懸念と景気減速が交錯する中で、為替相場のターニングポイントとしても、大変興味深い局面である。

▲日銀福井総裁問題でゼロ金利解除時期が遠のくとの思惑や北朝鮮のミサイル発射問題が引き続き論議される中、円安傾向は否めない状況であり、ドル高に反応する相場ではあるが、米ドルの上昇も9合目に接近しているため、反転地合が見込まれる状況だけに、米ドルロングの拡大は極力避けたい。依然として米ドル急落を意識した展開でもある。

翌週には日銀短観もあり、日本経済の景況感裏付ける情勢であるはずであったが、株式市場のもたつきが示すように、改善数字にも微妙な変化が見られると聞く、今週のFOMCと共に重要視されるが、総じて、不透明な要素が余りにも多く複雑に絡んでいるため、戦略的には短期トレードに徹することが望ましく、レンジ幅を拡大しながら、一喜一憂することなく、事が生じてからの始動が賢明であろう。
▲いずれにしても、日米とも今後の金融政策スタンスの変化を見極める時期でもあり、神経質な相場展開になるが、一見、落着きを見せ始めている株式市場や商品市場の動向にも注目せねばならず、そして、月末の投機筋の変化も想定しなければならない。かなり難易度の高まりを感じる相場展開だけに、ポジションの縮小で臨機応変に参加することが望まれる。

********今週のペットでも判る簡単チャート『事前予測実施中』******
作成年月日 2006年6月25日(日) 週末の終値ベース 

先週までは欧州通貨が過剰評価されたこともあり、総じて欧州通貨の売りシグナルが持続していたが、米ドルの一段高により、米ドル・ユーロドル・日本円の主要3大通貨のバランスが取れている状態である。先週末のドル円116.50とユーロドルの1.2510、そして、ユーロ円の145.75円が最もバランスしている。そして、この3大通貨のバランスが崩れはじめると、同一方向に進行するだけに、極めて重要なターニングポイントである。今後の方向性を見極めてからの始動を勧める。
NO.7参照(新外為の森)

ドル円 (ユーロドル−ユーロ円)平均乖離幅0.0950 現状乖離幅0.1041→0.1133
116.50売り⇒ユーロドル1.2510=ユーロ円145.75
(1ユーロ÷1.2510=0.7994)−(100円÷145.75=0.6861)=0.1133
先週115.15からの売り始動に突入、今週もセカンドレベルの売りシグナルが116.50円で点灯中。
過去の乖離幅とドル円売買シグナルは0.1203(ドル円売り117.50)→0.1210(ドル円売り118.30)→0.1234(ドル円売り116.60)→0.0870(ドル円買い113.80)→0.0969(ドル円113.95様子見)→先週0.1041(ドル円売り115.15円)

ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅25円 現状乖離幅30.45→30.25円)
2ヶ月以上売りシグナルが点灯しており、先週の1.26台半ばの売りから、現在レベル1.2510でも売りシグナルが点灯中。但し、主要3大通貨のバランスを考えると利益確定レベルも考慮しなければならず、一部解消も検討しなければならない。最終目標は1.23前後の買いとなるが、徐々にポジション解消のレベルであることも否定出来ない。
以下は一週間ごとの売買シグナル(事前予測)。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り←1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い→1.2340売り→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り←1.2742売り→1.2917売り→1.2640売り→1.2644売り

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅30.15→31.25円)
先週0.7380から弱い買いシグナルが点灯していたが、今週も引き続き買いシグナルが0.7318に点灯中。もう一段の下落を見てからの買いを勧めるが目標は0.7250近辺の買い。

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅37円 現状乖離幅44.00→45.65円)
乖離幅が拡大しており、先週も買いシグナル0.6179で点灯していたが、今週は直近の最大乖離幅に接近中、強めの買いシグナル0.6082が点灯中。
週間ごとの売買シグナル=0.6082の買い→0.6334の買い→0.6380の買い→0.6422売りポジション解消→0.6200様子見→0.6335様子見→0.6300弱い買い→0.6179買い

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15 現状乖離幅12.60→12.75円)
先週は1.1063の買いシグナルから一気に1.1229まで上昇、今週も引き続き同じレベル1.1229で買いシグナルが点灯中。
週ごとの買いシグナルは1.1057→1.1099→1.1180→1.1065→1.1010→1.1063→1.1229

ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅17.20→21.20円)
ドル円116.50x2=233.00−ポンド円211.80=乖離幅21.20円
先週の売りシグナル1.8506から一気に1.8180まで売られた。一部利益確定の買いも考慮中であるが、未だに1.8180でも売りシグナルが点灯している。1.8割れが目標。
先週までの乖離幅の流れの推移は30円→25円→20円→15円→10円→13.45→15.90→13.25→17.20→21.20円。25円までの拡大を待ってからのポンド買い。
ちなみに乖離幅の目安は30円=1.7400買い、25円=1.78、20円=1.8250、15円=1.86,10円=1.89がGBPの推移である。  

スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅25円 現状乖離幅21.60→23.20円) 
今週も1.2487で買いシグナルが点灯中、5月中旬の1.19台から買いが継続しているが、依然として、一部ポジション縮小の買いも検討中であるが、まだ上昇の余地がある。
週ごとの買い継続推移は1.2261→1.1981→1.2165→1.2250→1.2088→1.2306→。2309→1.2487である。

豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅9.00円 現状乖離幅13.85→14.40円)
不安定な動きが続いている。過去の週間の推移は9.30→10.75→11.80→11.90→13.95→13.05→13.80→14.60←16.00→15.45→13.95→13.60→13.00円→13.85
再度16円台に乖離幅が拡大すれば、チャンス到来。
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(250円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44円
6月平均256.10→258→260.75→今週は116.50+145.75=262.25円と円安局面へ突入。ユーロ円+ドル円の売りシグナル点灯中。

欧州通貨ペア(1週間毎の過去の経緯)
ユーロポンド(平均乖離65円 現状乖離幅67.50→66.05円)
先週に引き続き売りシグナル0.6881で点灯中。当面の目安は0.67台の買いシグナル、0.69台では売りシグナルが続いている。
週ごとの売り0.6941→0.6974→0.6939→0.6915→0.6924→0.6922→0.6822
買いシグナル0.6789。

ユーロスイス(平均乖離50円 現状乖離幅52.05→52.45円)
先週の弱めの売りシグナルが1.5564から、通常の売りシグナル1.5621で点灯中。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5742様子見→1.5725様子見→
1.5744→1.5653売り継続→1.5607様子見→1.5544様子見→先週1.5613売り

ポンドスイス(平均乖離25円 現状乖離26.00→25.200円)
先週は利益確定売りシグナル2.2779へ突入。ポジション解消後は様子見が続いている。
過去の週ごとの経緯は2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2614買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2.2779売り
新外為の森 参照★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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