手掛かり難否めず、次なる材料探しの場!?
注目されたFOMC議事録において、ほぼ全メンバーが購入縮小はまだ適切でないと一致した上、今年後半の資産購入の縮小見通しを確認したことを受けて、ドルを買い戻す動きが優勢になったが、その後、資産購入をやや縮小するべき時は近いかもしれないと慎重姿勢を示す中、米失業率はQE3開始以降、著しく低下しており、インフレが一定基準を下回る限り政策金利引き上げはないと指摘、そして、一部メンバーからは、市場金利の上昇が経済成長を抑制する主因であることが言及されるなど、相対的な不透明感は拭えない状況にある。FRBによる緩和縮小観測の高まりから、新興市場からの資金流出が続く中、株価や債券市場への影響も計り知れないだけに、安易に縮小時期を決定できない側面がある。
一方、ドル円は98円台には届かず、再び97円台半ば近辺で膠着度を強めているが、NYダウが再び1万5千ドル割れへと軟調気味に推移していることを背景に、円を買い戻す動きに繋がっており、依然として、98円台の上値の重さが意識されている。
他方、ユーロドルは、方向感に乏しい中、メルケル独首相がユーロ危機は終わっていないとした上、ギリシャ支援の何らかの決定は14年か15年になるだろうと指摘する中、ドイツの成長は内需によって加速しており、他国との利回り格差縮小は安定の兆しではあるとしながらも、増税は失業を増大させる可能性もあり、誤った政策となる旨を強調している。ユーロドルは一時1.34台まで回復したが、同レベル付近ではポジション調整売りに圧されて、失速気味に1.33台半ば前後で膠着度を強めている。