FOMC議事録に過剰期待禁物!?
米長期金利の上昇が一服する中、米量的緩和(QE)縮小の時期をめぐる不透明感を背景にドルの調整売りが優先されている。その中、ユーロドルは半年ぶりに一時1.34台半ば近辺まで上昇、徐々に下値を引き上げつつある。ただ、1.35台にはポジション調整や利益確定売りが控えており、同時にユーロの財政難を背景に一気に同レベルを回復するほどの機運はなく、引き続き戻り売りに妙味が生じている。
一方、市場の関心は本日のFOMC議事録に向けられているが、一連の連銀総裁の発言から判断しても、金融緩和の早期縮小は未だに検討中との見解が大勢を占めており、今回のFOMC議事録において、明確な方針を打ち出せるほどのサプライズは期待薄と判断するのが順当であり、為替相場は引き続き小幅なレンジ幅で一進一退となる可能性が高いだろう。
他方、NYダウは段階的に下落基調を強めているが、辛うじて節目である1万5千ドル台をキープしている関係上、円相場はリスク回避の円買いも一服している。ただ、米金融緩和縮小により、相対的なドルの流動性が低下への不安から、経常赤字を抱える新興国からの資金流出が加速するとの観測から株価の上昇を阻んでいるだけに、必然的にドル円の反発力は弱いと言わざるを得ないだろう。