ドル買い優勢も狭いレンジ幅での攻防!?
市場は全般的に夏季休暇で薄商いは否めない中、総じて焦点が絞りにくい展開であるが、米国の早期QE縮小期待は根強く、米10年国債利回りは約2年ぶりに2.8%台の水準まで上昇している。日米金利差拡大を背景として、ドルの買戻しがやや優勢になっている。
先週発表された米新規失業保険申請件数が約6年ぶりの水準に低下するなど、雇用改善への期待感も強まっていることも米金利の上昇に繋がっている。また、米消費者物価が上昇していたこなども、早期QE縮小開始期待を高めている。ただ、米長期金利の過度な上昇は米国経済への打撃にもなりかねず、更なる上昇は望みにくいのが現状であろう。それゆえに、更なるドルの上昇局面ではドルの戻り圧力が増す可能性は一考すべきであろう。
一方、ドル円はドル買いが優勢にもかかわらず、98円台には届かず、伸び悩みの兆しを見せている。NYダウ平均株価は、辛うじて15,000ドル台をキープしているものの、相対的に利益確定売りが優先されている。また、IMM通貨先物市場における円ショートが未だに高水準に位置していることもドル円の上昇力を弱めている。
他方、ユーロドルは最近のユーロ圏の経済指標が改善方向にあり、底堅さを取り戻しつつあるが、依然として、ユーロ圏における高失業率や債務問題に進展が見られず、積極的に買い上がる無難しさがあり、ユーロドルは1.33前後で往って来いの展開を余儀なくされている。