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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米経済のインフレ要因は何処から⇒コスト、紙幣、それとも為替インフレ!

やはり原油価格?満タン1万円でもお釣りが数百円では。

やはり原油価格?満タン1万円でもお釣りが数百円では。

さあ、ブラジル戦ですね。ワールドカップも予選通過に僅かな望みはあるにしても、深夜4時がキックオフとなるとさすがに躊躇しますね。最近では床に入る時間が夜中の2時過ぎになっているので、4時でも問題はないのですが、昨日は夏至で日の出は3時55分だったそうで、日の丸が昇ることを祈るしかありません。やはり早寝早起きがベストでしょうが、もう一つ気になるのは、どのくらいの視聴率になるのでしょうかね。30%を越えたら凄い。
ちなみにプロ野球の巨人戦はゴールデンタイムでも10%割れの状態とは情けないの一言です。

▲原油価格も1バレル70ドル台へ、そして金価格も上昇となれば、リスクマネーも再び米ドルへの回帰が閉ざされるようだと、米ドル安の懸念も生じ易い。来週のFOMCまではレンジ相場の様相が濃厚であるが、イラン核問題、北朝鮮ミサイルは別にしても、世界的インフレ傾向を背景にした各国の金利動向の舵取りが更に難航しそうな情勢だけに、思い込みのトレードは避けたいところである。昨日はECB中銀トリシェ総裁の発言が利上げ実施観測に繋がったようだが、それほど新鮮な出来事ではなく、材料不足の中でユーロドル買いと、米金利の軟着陸と景気減速の不透明感が米ドルの上値を抑えていると見るべきであろう。このような展開が来週のFOMCまで継続されると思われるため、当面はレンジ幅で臨みたい相場である。
▲ドル円114~115円台半ば、ユーロドル1.2600~1.2750までのレンジと判断するが、米経済が景気減速も視野に入っている既成事実の中で、インフレ懸念を最優先課題とするための利上げ、すなわちスタグフレーション現象(この言葉は景気停滞のスタグネーションと物価上昇のインフレーションの合成語)を招いている状況下では、並大抵の金融政策では乗り越えられない。ソフトランディングの試みが遅れれば遅れるほど、ハードランディングの決断が必要になる。いずれにしても、原油価格の高騰が続く限りは、世界インフレと同時株安の懸念は払拭できない。

▲ 米経済のインフレ要因に注目してみると、3つの要因がある。
1) 源油価格高騰による単なるコストインフレ。
2) 双子の赤字を抱え、米ドル紙幣の乱発による紙幣インフレ。
3) 世界的なリスクマネー分散により、米国通貨の価値が減少した為替インフレ。
いずれにしても、上記の複合的な要素が絡んでいると判断するが、総じて、米ドルの上昇には限界が生じているといえる。金利だけで米ドルの上昇は支えられないと判断する。
昨日と同様にドル円の115円台の米ドルショートで臨みたい相場であり、現状では敢えて114円台の米ドルショートを勧めること出来ないが、115円台の米ドルショートを基点にして、50ポイント刻みの利益確定に専念することを勧める。ユーロドルも上昇基調に見えるが、1.27台からの利益確定の売りも散見され、ポジション整理の為にも同レベルの売りを推奨する。まだ波乱含みな展開が予想されるため、少なめのポジションで余裕を常に感じながらのトレードを勧める。買いは1.26割れでなければ妙味は薄い相場である。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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