ドルロングの調整売り局面!一巡後の反発に注意?
米企業の決算が軒並み好調だったことを受けて、NYダウは前日比22ドル高の15,567.74ドルと終値ベースの史上最高値を再び更新して取引を終えている。相対的な過熱感もあり、やや伸び悩みの傾向を示しているが、懸念されていた米国債10年物利回りは2.5%と落ち着きを取り戻す中、先のバーナンキFRB議長の発言以降、早期のQE縮小観測は一服しているものの、年内のQE縮小開始期待は依然として根強く、更にドル売りを強調できる材料は希薄になりつつある。
一方、市場のコンセンサスはドルロングの持ち高調整が続いている中、夏季相場に向けて、円ショートの解消が進行しているため、ドル円の上値の重さに繋がっているが、ドル円99円割れでは実需並びに利益確定買いが随所に散見されているように、積極的に下値を探る相場環境には至っていない。当面、99.00〜100円のレンジ幅を駆使して、逆張り待機が得策であろう。
他方、ユーロドルは1.32前後のストップロスを巻き込み底堅さを取り戻しつつあるが、依然として、ECBの利下げ観測は払拭されておらず、特に強調できる買い材料は見当たらないのが現状である。あくまでもドルロングの解消売りが寄与している側面があり、1.32台半ば以上からの高値掴みは要注意と判断し、引き続き戻り売りに特化することが一考であろう。
そのほかでは、中国経済の減速懸念を背景に、一部報道では中国が景気下支えのため金融緩和策に動くとの見方もあり、上海株は反発しているが、金融政策による打開策では限界があると見方もあり、今後の中国情勢の動向が株、為替、そして、債券市場にも波及する恐れもあり、短期筋としては、積極的にどちらにもポジションを傾けづらい状況に陥っている。