自民圧勝で円安傾向強まる!真価が問われる時?
参議院選挙は事前予想通りに自民が圧勝、衆参のねじれは解消されたことを受けて、アベノミクスの成長戦略への期待感は強まる中、相対的に円安に振れているが、先のG20において、日本の財政再建計画に最善を尽くすことを要求されているように、これからが安部政権の真価が問われる時でもある。安部政権はとりあえずデフレ脱却が最優先としているが、15年以上も続いたデフレ経済を克服するには、少なくとも2〜3年ほどの期間が必要であり、アベノミクスは必ずしも特効薬ではないだけに、今後も米欧経済、そして、中国並びに新興国の経済状況を照らしながらの相場展開になることは間違いなく、波乱含みの展開が余儀なくされている。
一方、既に、株高ならびに円安が進行している関係上、市場のコンセンサスは、米経済の回復度合いや中国の経済原則懸念を見極めながらポジション調整主体の展開が予想される。その中、シカゴ通貨先物においては、円ショートが8万5千枚台まで膨れており、やや過熱感が生じている。目先は10万枚前後が一つの目安になる可能性もあり、ドル円の高値掴みには注意を払う必要があるだろう。
他方、IMF側からG20向けての文書が伝わっているが、現在の市場の不安定な動きは継続し、深刻化する可能性を示唆している。その中、ユーロ圏は長引く低迷により成長が予想下回る可能性、そして、米国の低金利・非標準的政策の解除は新興国に課題もたらす可能性を指摘している。市場は米金融緩和の縮小時期を背景に、中国並びに新興国の経済状況を照らしながらの難易度の高い相場展開を強いられている。