ドル買戻し材料多し!戻り買いに専念?
下院に続いて、バーナンキFRB議長の議会証言が上院で行われたが、前回の議会証言を踏襲、QE縮小開始時期を後退させるハト派な内容ではある。その中、米失業保険申請件数が予想以上に少なかったことや、フィレデルフィア連銀景気指数も、雇用指数が堅調で2011年3月以来の高水準に上昇したことを好感し、NYダウ株価が最高値を更新するなど、依然として、ドルを買い戻す動きが強まっている。
一方、市場の注目が明日から開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議並びに週末の参議院議員選挙に移っているが、米金融緩和縮小期待を背景に、中国を始めとして、インドやブラジルなどの新興国からの資金流出が顕著になっているため、今後も米国への資金還流が更に強まるとの見方が先行して、ドルの底堅さに繋がっている。
今後、新興国の減速懸念が鮮明になれば、安全資産であるドル買い、そして、円買い志向が更に強まる可能性もあるため、積極的に円売りを仕掛けづらい側面もあるものの、参院選での与党圧勝劇が見込まれている以上、当面、ドル円100円前後の底堅さを背景に、もう一段のドル買いシナリオを考慮せざるを得ないだろう。
他方、米国ではかつて自動車産業のリード役であったデトロイトが破綻に追い込まれるなど悪材料も噴出しているが、早朝に米格付け会社ムーディーズは米国債の格付け見通しを引き上げると発表しており、総体的にドルロングを手仕舞う動きは後退しているため、引き続きドルの戻り買いに焦点を当てて臨む事が得策であろう。