FRB議長の議会証言に注目も値幅は限定的!?
本日のバーナンキFRB議長証言を控えて、市場のコンセンサスは前回の講演を踏襲する格好でハト派的な見解に終始するとの見方が大勢を占めているが、先に発表された6月の米小売売上高が市場予想を下回ったこともあり、早期のQE3縮小観測は後退している関係上、相対的にドルの調整売りが優先されている。
一方、ドル円は100円台を維持できず、一時99円割れへと下落基調を強めているが、長期金利の低下に伴いNYダウ平均株価が緊張に推移している関係上、短期筋としても、FRB議長の議会証言を見極めたいとの思惑から、更なる円買いにも限界点が垣間見られている。その中、昨日発表された米6月消費者物価指数や同設備稼働率は市場予想を上回り、また、7月NAHB住宅市場指数は2006年以来の高水準を示しており、米景気回復期待の高まりは根強く、ドルを積極的に売れる相場環境には至っていない。そして、ポジション解消売りが一巡すれば、再びドルの反発も予想されるだけに、基本的にはドルの戻り買いに妙味が生じている。
他方、ユーロドルは米ドルロングの解消売りを伴い、底堅い展開を見せ始めているが、昨日はZEW7月独景気期待指数が予想反して低下し、また、6月のユーロ圏の欧州連合(EU)基準消費者物価指数は低い伸びにとどまっており、依然として、欧州中央銀行(ECB)が超低金利を継続するとの見方が一段と強まっている。それゆえに、あくまでもポジション調整による段階的な上昇と判断することが無難であり、引き続き戻り売り優先の展開を強いられていると見なした方がリスクは軽減されるだろう。