米ドルの荒波接近中!115円から円高接近中?
先週の日曜日には久しぶりに映画館に出向いたが、『ダヴィンチ・コード』にするか、それとも昔懐かしい『ポセイドン・アドベンチャー』と迷った挙句、映画好きの奥さんの一言を思い出した。事前に『ダヴィンチ・コード』の“本を読まなければ理解できないかも”
それではと、単純明快なストーリーの『ポセイドン・アドベンチャー』に決定。ストーリーは大晦日の夜、北大西洋を航海中のポセイドン号は、新年を目前に控えた祝宴でカウントダウンが始まる。 だが同じ頃、海上では、恐るべき異変が発生していた。それは、高さ50メートルはあろうかという巨大な波。やがて、その大波は、一瞬にしてポセイドン号をのみ込み、船は天地を逆にして転覆してしまう。前回とストーリーも内容も大差がなかったが、それなりに楽しむことができました。しかし、昨日の昼間に昔懐かしいポセイドンがTV放映されており、若かりし頃のジーンハックマンの熱演を目にしましたが、34年前1972年度の作品にもかかわらず、只今上映中リメイク版にも劣らない出来映えですね。確かに現代版はCGを駆使し、見栄えはしますが、強いて言えば、昔のポセイドンに軍配を上げたいですね。為替で言えば、テクニカル分析を駆使しても、しっかりした脚本がないと『だましの連続のような』光景にも見えます。米金利の利上げも米ドル離れ阻止の『猫だまし戦術』のような気もしますが、バーナンキFRB議長も荒波と戦っているのでしょうが、新米船長の舵取りは大変ですね。それに反して、福井さんも国会で荒波にさらされているが自業自得、まして、投資先が村上ファンドでは弁明の余地がありませんね。ゼロ金利政策で儲かっているのは、金融機関と日銀総裁では、なんとも恥ずかしい国ですね。
▲5月の米消費者物価指数(CPI)を受けて、米ドルの上昇を見せたものの、年後半の米景気減速懸念が表面化しており、終わってみれば元の鞘に戻る典型的な心理相場である。 昨日の対米証券等が予測を下回ったと言いながらも、米ドルの下げも限定的であったように、思考錯誤の展開でしかない。いずれにしても、短期トレードが中心的な相場であるが、先日FRB議長が述べていたように、米消費者物価の数字のみを考えれば、次回のFFレートの利上げはほぼ確実視されている。しかし、ベージュブックに見られるように地区連銀では半年後の景気減速をかもし出しており、FFレートの金融引き締めが単なるインフレ圧力に効果的とも言い難い。過去の経緯から判断しても、米長短金利の逆転現象が明らかに景気減速の兆候でもあり、利上げはインフレ懸念には必要な手段であるが、原油価格の高騰が物価上昇の起因である事は周知の事実であり、米経済がインフレ懸念とリセッション(スタグフレーション)の狭間にあるとすれば、FRB議長の手腕が問われる時であるが、次回の利上げによる米ドル高期待の単純思考は自重しなければならない。一昨日の115円台半ばまでの上昇を見せたものの、更に買い上げる材料が乏しいだけに、同レベルでは米ドルショートの思惑が先行しやすい時でもある。同レベルの売りを推奨するが、利上げ観測が米ドルの下値を支えており、昨日の値幅でもあるドル円114.00~115.50のレンジ売買を心がけることが賢明な相場観とも言える。
▲いずれにしても、為替変動要因が各国の利上げをはじめとして、株式、商品、債券相場、そして中国の人民元の動向も視野にあり、為替相場を混乱させているが、年初からの変動幅だけを考えれば、皮肉なことにドル円は±1%前後の変動率となる。そしてユーロドルでも1.200から現状の1.26レベルと5%の変動率となれば、総じて、ゼロ金利の円は避けながらも、確実に米ドル離れが進行しているとも言える。故に米ドル金利の打ち止め後には米ドルの急落リスクは必然的に高まると見るのが賢明であろう。
現状では、米金利の利上げが織り込み済みでもあり、金利格差の利点で現状維持はできるが、更に米ドルを買い進む材料にはなりにくいと見るのが順当であり、必然的に米ドルの上値が抑えられる状況ではある。米ドル資産の分散思考と株及び商品相場の急落が世界的にもリスクマネーの増幅を繰り返しており、米ドルへの回帰と米ドル離れが同時進行している要因があり、更に米ドルを迷走させているが、次第に上値が重い展開が待ち受けていると判断する。ドル円115円台半ばの売りを推奨する。ユーロドルも1.25割れが見えず、値ごろ感と米景気減速懸念もあるため、1.25台半ばではユーロドルの調整買いが堅調と判断して、1.25台半ば割れの買いを推奨すると共に、1.26台後半の売りを勧める。日経平均株価を重視する日本政府としては、少なくとも日経ダウ1万5千円の踏み台が必要であり、今回の福井日銀総裁の不祥事は別としても、当面はゼロ金利政策を維持することが使命でもある。円安維持と株高持続が日本経済の活性化に繋がるが、現状の不安的な株式相場では、日本政府のデフレ脱却宣言と日銀のゼロ金利解除には、まだまだ時間が要する展開と見るのが賢明であろう。
ユーロドルも方向感が乏しい状況であり、下値1.25台半ばは堅調ではあるが、1.26台半ば近辺には、ポジション調整と思われる、ユーロドル売りもあり、当面は1.26を挟んだ攻防と判断するが、レンジ幅を拡大して、1.2550~1.2700で臨むことを勧める。株式相場と商品相場の安定が得られれば、米ドルへの回帰も一巡し、本来の避難通貨的なユーロドルロングも考えられるだけに、1.25台半ばの買いに妙味ありと判断する。