中国経済の鈍化が加わり、試行錯誤の展開!?
今週末に参議院選挙を控える中、自公民の過半数獲得が確実視されており、市場のアベノミクスへの期待感は更に強まる可能性から、円売りに安堵感が生じている。その中、ドル円は一時100円台を回復するなど、底堅さを取り戻しつつあるが、ただ、依然として、海外勢からは、安部政権における成長戦略に対する疑心暗鬼が渦巻いており、積極的にポジションを構築できない相場環境にあるため、ドル円は100円前後で一進一退を余儀なくされている。
一方、先週、中国の税関当局が表した貿易統計が大幅に低下傾向を示し、中国経済の鈍化が鮮明になっているが、昨日、中国国家統計局が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は前年同期比7.5%と、第1・四半期の7.7%から低下したものの、ほぼ事前予想通りの結果であったため、過度な警戒感が後退したことを受けて、アジア及び欧米株式市場は小幅続伸しているが、反面、中国経済のリスク許容度が高まったことを受けて、為替相場と同様に株式市場も神経質な展開を強いられている。
他方、シカゴIMM通貨先物市場では米ドルロング志向は根強い中、円ショートは警戒レベルの8万枚台、ユーロショートは4万枚台、そして、豪ドルも6万枚台などと主要通貨は軒並みショートになっており、ドルロングに過熱感が生じている。その背景には日米欧の金融緩和策による温度差が起因しているが、先のバーナンキFRB議長の発言以来、早期のQE3が後退しているため、更なるドルの上昇局面ではショートに転じるシナリオも一考であろう。