米金融緩和縮小やや後退!一過性のドル売り?
日本時間早朝にバーナンキFRB議長が質疑応答で米インフレ率は依然低水準であり、7.6%の失業率では雇用情勢を誇張しすぎ、失業率が6.5%に下がっても自動的には利上げせず、当面は金融緩和策を継続するとの方針を示し他ことを受けて、早期のQE(量的緩和)縮小開始観測が後退したことを背景にドル売りが加速している。ドル円は100円台から一気に98円台半ば割れまで下落、そして、ユーロドルも一時1.32前後まで上昇するなど、総じて、ストップロスを巻き込む展開を強いられている。ただ、米経済は緩やかに回復基調にあることは間違いなく、過度なドル売りにも警戒感が強まりつつあり、ドルの戻り買いに妙味が生じている。
一方、米連邦準備理事会(FRB)が公表した6月FOMC議事録によると、複数のメンバーが、資産買い入れの縮小が近く正当化される可能性があると判断する中、多くのメンバーが縮小に着手する前に雇用が着実に回復しているとの確信が必要であるとの考えを示していたことからドル売りに傾斜していたが、総じて、買われすぎていたドルロングの調整売局面と見なす方が順当であろう。
他方、米石油在庫の減少観測が高まる中、エジプトの情勢不安による地政学的リスクを背景に、原油価格が1バレル106.52ドルと2012と年3月以来約1年3カ月ぶりの高値圏まで上昇している。価格上昇がドル売りを誘引した可能性はあるが、これ以上の上昇は米国経済の足かせのみならず、世界経済を揺るがず不協和音に発展しかねない状況なだけに、中東情勢が一段落すれば、1バレル100ドル割れへの展開も期待できるだけに、当面、ドル買いニーズは健在との見解は少なくない。