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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

手掛かり難の中、ドル買い一服!買戻しは健在?

昨日は特筆すべき材料もない中、先の予想を上回る米雇用統計を背景に米金融緩和縮小への期待感を踏まえて、米国債利回りの上昇にも一服感が生じており、相対的な過熱感から、ドルを積極的に買い戻す動きは小康状態にあるが、NYダウがじり高となるなど、潜在的なドル買いニーズは健在と見なすことが一考であろう。

一方、ユーロ圏財務相は、一部条件付で総額68億ユーロのギリシャ融資を承認したことや、ポルトガルの政局不安への懸念が後退したことを受けて、ユーロドルは反発気味に反応している。ただ、欧州中央銀行のドラギECB総裁が欧州議会の経済金融問題委員会において、ユーロ圏経済は安定し、ゆっくりとしたペースながら年末に向けて回復するだろうと述べてはいるが、金利を長期間に渡って低く抑えるとも発言しており、米国とのの金融政策に対する相違性が改めて認識されており、積極的にユーロドルを買い戻す動きには繋がっておらず、現時点は調整色の濃いユーロ買いと言わざるを得ないだろう。

他方、ドル円は、一時101円台半ばまで上昇したものの、同レベルでは利益確定売りが散見されるなど伸び悩む展開ではあるが、日米金利差拡大を背景に、着々と100円台への足固めの相場環境が整い始めている。本日は主だった経済指標もなく、ドル円及びユーロドルは小幅レンジ幅での攻防が予想されるため、相場の動意を待ってから始動することが得策であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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