ECBの低金利長期化!米欧の金利差拡大でユーロの上値重石?
市場全般は米独立記念日の影響とともに、本日控えている米雇用統計の動向を見極めたいとの思惑から動意薄の展開を強いられていたが、ECB理事会において、事前予想通りに金利は2.5%に据え置かれたが、その後のドラギECB総裁は会見で、欧州圏の成長リスクは引き続き下向きであり、理事会は必要な限り、緩和的な金融政策を維持するとしたほか、ECBの金利が長期間に渡り、現行水準もしくはそれを下回る水準になると予想すると述べたことを受けて、ユーロドル売りが進行し、一時1.29割れへと上値の重い展開を強いられているものの、流石にマイナス金利導入には触れてはいないが、更なる利下げが見込まれるだけに、上値は限定的と言わざるを得ない。
一方、欧州株式市場は金融緩和の長期化を背景に、反発気味に軒並み上昇している。世界同時株高の傾向を示しており、ドル買い・円売りに弾みがつき、ドル円は再び100円台で底堅い展開になっている。
他方、ユーロ圏の国債利回りは短期金利は低下と共に、ドイツ債と米国債10年物 の利回り格差が2010年4月以来の水準にまで拡大しており、量的緩和縮小に着手しているFRBとECBの政策スタンスの相違が鮮明になっていることがユーロの圧迫要因になっている。
ただ、円相場も含めて、ユーロドルは,既に低水準の域まで下落基調を強めているだけに、当面、ユーロドルは1.2800〜1.3000のレンジ幅で売買を模索することが賢明であろう。
いずれにしても、今晩の6月米雇用統計に注目せざるを得ないが、一連の米経済指標の改善を背景に、改善期待が徐々に高まっているだけに、ドルの戻り買いで待機することが一考であろう。