期末控えて微調整に終始!?
市場は半期末決算を控えて、相対的に調整色が強まっているが、昨日発表された米GDP確定値は前期比で1.8%増だったものの、伸び率は2.4%程度と低調な結果となり、米量的金融緩和の縮小期待に水を差した格好であり、米債券利回りが下落すると共に、日米金利差の縮小を伴い、円の買い戻しが優勢になっている。ただ、NYダウは再び1万5千ドル台に向けて堅調に推移しており、円の買戻しも限定的になっている。
一方、中国の短期金融市場の混乱により、相対的に安全資産であるドル買いおよび円買いを助長させているが、中国人民銀行(中央銀行)は既に、資金不足に陥った銀行に対し、必要なら資金を供給する考えを示し、短期金融市場の動揺を抑える姿勢を打ち出してはいるが、市場の関心は中国当局の本気度を窺う状況にあり、当面、株価動向を睨み慎重姿勢を取らざるを得ない相場環境にある。
他方、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、ユーロ圏経済の回復は緩やかで脆弱性を帯びており。成長へのリスクは依然として下向きだと述べたほか、緩和的な金融政策の解除は、依然として、ほど遠いと表明している。その仲、市場のコンセンサスはユーロ圏の量的緩和策の長期化と米国の縮小策を背景に、欧米の出口戦略の相違いが意識される中、ドル買い・ユーロ売りに傾斜しており、ユーロドルは一時1.300割れへと上値の重い展開を強いられている。ただ、1.300割れからは利益確定買いが随所に散見されており、下値も限定的と見なす事が一考であろう。