市場は中国金融不安に注目!波乱含みの展開?
中国の不安定な金融システムが世界株式市場を震撼させる中、昨日の上海総合指数が一時5%あまり下落、また日経平均株価は一時300円を超える下げ幅を記録するなど、相対的にリスク回避の動きが強まっている。市場のコンセンサスとしては、遅かれ早かれ、中国の短期金融市場における資金需給が逼迫すると共に、同国の金融機関の資金繰り不安などを背景に、中国の不良債権問題が浮上するとの観測から、市場は安全資産であるドル買い・円買いに傾斜している。
一方、NYダウ平均は昨日発表された5月米耐久財新規受注の結果が予想を上回り、また、5月米新築住宅販売件数や6月米消費者信頼感指数も改善方向が確認される中、その後、中国人民銀行が市場金利を妥当な水準に誘導し、一部の金融機関に資金供給を実施したとの報道が伝わり、中国の景気減速やクレジットリスクに対する懸念がやや後退したことが好感され、NYダウ平均は100ドル高と底堅さを維持しているものの、当面、中国金融市場に左右される展開が予想されるだけに、為替並びに株式市場の乱高下は避けられない情勢に直面している。
他方、ユーロドルはドルの買戻しを背景に再び1.30台に下落している。ドラギ総裁は経済見通しを緩和的なスタンスを引き続き正当化しており、国債購入プログラム(OMT)は必要との認識を示しているが、反面、ECBの出口戦略には程遠い状況であり、更なる追加刺激策も可能性はあるものの、米国との差は歴然であり、引き続きユーロの戻り売りが優先され易い相場環境にあると言わざるを得ない。