日米金利差拡大&株安で一進一退の展開!?
先のFOMC声明文やバーナンFRB議長の記者会見で示されたQE縮小に関して、各連銀総裁の見解が相次いでいる。基本的には、FRBは現在の毎月850億ドルずつの債券買い入れ措置を徐々に解除し始め、2014年半ばまでに完全に終える可能性を示しているが、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁はQEをインフレ見通しで2.5%以内なら失業率7%下回るまで継続すべきで、失業率が5.5%を下回っても低金利を維持すべきとの見解を示している。そして、フィッシャー・ダラス連銀総裁も、刺激策を元に戻すのは適切であるが、即座にやめることは好ましくはないとし、投資家は金融当局による資産購入縮小の計画に過度に反応すべきではないと指摘している。
一方、米国のQE縮小は金融正常化への一歩ではある反面、資金流動性問題を絡めて、為替のみならず、債権並びに株式相場に大きな影響を及ぼす可能性があり、早期のQE3縮小には慎重姿勢を取らざるを得ないのが現状である。そして、日銀が異次元の金融緩和策を推進している以上、今後も日米金利差の拡大を背景にしたドル買い・円売りに比重を置いたほうがリスクは軽減されるだろう。
他方、NYダウ平均は139.84ドル安の14659.56ドルで引けている。米10年債利回りの上昇が嫌気された側面もあるが、中国の上海総合株価指数が5.3%安となり、世界同時株安を背景に投資家の不安心理を示すVIX恐怖指数が大きく上昇、昨年12月以来の高水準となるなど、リスク回避の円買い圧力が徐々に増している。当面、ドル円96~99円のレンジ幅を駆使して、売買を模索することが賢明であろう。