アベノミクス効果の賞味期限切れ近し!ドル円95円台で一進一退?
市場の関心が本日の米公開市場委員会(FOMC)の結果や、その後のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の会見内容に注目される中、FOMCでは金融緩和縮小への懸念を和らげる手段を発表するとの期待からNYダウ平均は前日比138.38ドル高の15318.23ドルで堅調に推移している。相対的に円売りに安堵感が生じており、ドル円は一時96円台に迫る展開を見せるなど、着々と95円台への足固めの展開が予想される。
一方、ユーロドルは方向感に乏しい中、ECB総裁がユーロ圏経済を支援するために必要ならば行動する用意があると述べたことから、一時1.34台まで上昇したが、同レベルではポジション縮小や利益確定売りに圧される格好となり、やや伸び悩みの傾向は否めない。一部では新興市場からユーロへの資金回帰(リパトリエーション)の動きがユーロを支えているとの観測も広がりつつあり、次なる節目である1.35前後を目指すとの見解も少なくない。ただ、市場のコンセンサスとしては、ここ最近ユーロショートが急ピッチで縮小している関係上、依然として、戻り売りが優先され易い相場環境になっている。当面、1.34台からのロングは自重することが一考であろう。
他方、G8においては、アベノミクス効果や日本経済の財政問題がテーブルに乗せられたが、概ね、安部首相の見解は理解を得られたものの、反面、再び通貨安競争に向かうとの危惧も浮上しており、アベノミクスによる過度な円安期待は終焉を迎えつつあるのかもしれない。その他では、オバマ米大統領がバーナンキFRB議長の任期について、自身が当初考えていたよりも長く議長職にいると述べているが、すでに、同議長は来年の1月末の任期が切れで退任する見通しであり、市場の反応は限定的になっている。
いずれにしても、本字のFOMCの結果如何であろうが、ポジション調整主体の波乱含みの展開が予想されるだけに、相場がある程度動意づいてから始動が得策であろう。