ドル円95円台回復!不安定な上昇局面?
昨日発表された5月小売売上高や新規失業保険申請件数が底堅い内容となり、NYダウ平均株価が4営業日ぶりに反発、前日比180ドル高と1万5千ドル台を回復したことを受けて、投資家心理が改善、日経平均株価も大幅に反発している。上げ幅は一時400円を超え、1万2800円台後半まで上昇し、短期筋の買い戻しが優勢になっている。そして、市場では米当局が量的金融緩和を早期縮小するとの懸念が後退したとの観測も浮上するなど、日々様々な材料に株および為替相場は振り回されているが、かなり難易度の高いトレードを強いられているだけに、相場が落ち着くまでは少な目の売買で対応することが賢明であろう。
一方、ドル円が95円台を回復したことで、急ピッチのポジション解消売りは一巡したと判断するのは早計であるが、ドル円相場は4月4日に黒田日銀総裁が質的・量的緩和を決定した水準(ドル円95.60円)まで買い戻されているように、結果的にはドル円95円割れからショートに違和感が生じているとも解釈できる。また、日本政府としても、7月の参議院選挙を終えるまでは、少なくともドル円95円台を維持したいのが本音であり、当面、95円割れからのショートは見送りが正解かもしれない。
他方、ユーロドルは1.33台で底堅い展開であるが、昨日、メルシュECB専務理事は、ユーロ圏経済は正常な状況への回復には程遠いと指摘する中、マイナスの中銀預金金利は物価安定の必要に応じて、導入する可能性も示している。先にドラギECB総裁がマイナス金利の導入に触れているため、市場の反応は限定的であるが、ECBの利下げ余地が残っているだけに、当面、ユーロドル1.34台からのロングは自重局面にあると判断するのが一考であろう。