ドル円95円トライに注意!下値限定的?
米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明などで量的緩和の縮小に言及するとの思惑が広がる中、NYダウ平均株価は前日比126ドル安と節目の15,000ドル割れで引けている。金融政策の先行き不透明感に加え、これまでの円ショートやドルロングを手仕舞う動きが広がっている。ただ、米国債長期利回りが上昇したことを受けて、日米金利差の拡大により、円売り・ドル買いに傾斜するなど、ドル円は辛うじて95円割れには至っていないが、総じて、上値の重さを意識せざるを得ない相場環境にある。
一方、日銀が先の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定したことも円ショートの巻き戻しに繋がっているが、日米欧当局は景気浮揚策の一貫として、量的緩和を推進したことが世界株高など一定の効果は得られている、相次ぐ景気支援策では株高の限界点に差し掛かっているとの見方が少なくない。その中、FRBが出口戦略として、量的金融緩和の縮小に向けて、本当に舵を切るかどうかが問題視されているため、株価の伸び悩みが生じている。
他方、日銀はデフレ脱却に向けて、今後も大胆な金融政策を続けるしかないだろうが、米長期利回りの上昇により、日銀が債権購入対策だけでは金利上昇を抑制する難しさがある。ある意味では、日銀の景気対策に手詰まり感があり、日銀が、今後さらに踏み込んだ金融政策を取り組むかは懐疑的になっている。
そのほかでは、豪ドルは相変わらず不安定な展開を強いられているが、円キャリートレードの解消が一段落しており、昨日は0.95台半ばまで買い戻されているが、次回(7月2日)の豪政策金利での利下げ観測(0.25%)が強まっている。当面、豪雇用統計の結果待ちであるが、上値は限定的と見なす方が賢明であろう。