ドル円95円割れは時期尚早!?
昨日の日銀金融政策決定会合で金融政策が維持される中、その後の黒田日銀総裁の会見において、踏み込んだ発言はなく、新たな追加緩和策が示されなかったことが嫌気され、円買いが進行、ドル円は次なる節目である95円を意識せざるを得ない展開になっている。ただ、連日ストップロス売りが優先されており、市場における円ショートがある程度改善されている可能性から、更に円を買い上げる相場環境にはなりにくい。そして、ドル円95円割れともなれば、株価への影響も含めて、アベノミクス効果に水を差す可能性があり、過度な円高期待は自重することが一考であろう。
一方、為替相場は引き続き株価動向に左右される展開であるが、昨日のNYダウは続落しているものの、依然として1万5千ドル台を堅持しており、株安・円高の構図は限定的になっている。その中、米国長期債利回りが低下し、日米金利差は縮小しているが、高金利である豪ドルのポジション解消売りを背景に、ドルを買い戻す動きが優勢とみなしたほう賢明であろう。
他方、ユーロは1.33台を回復、2月以来の高水準で推移している。アスムセン欧州中央銀行(ECB)専務理事が債券買い入れについて、物価安定確保に向けたECBの真摯な姿勢を示すため無制限である必要があるものの、事実上制約を受けていることは誰の目にもssの認識を示したことがユーロの支援材料になっている。ただ、依然として、ユーロ主導の展開ではなく、1.33台以上からのロングは手控えることが賢明であろう。