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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

自己分析と勝ちパターン>テクニカル分析>ファンダメンタルズ分析

今週は先週末の米雇用統計の予測が悪化したことを背景にして、米金利の打ち止め観測が更に表面化することが避けられず、米ドルの買い戻しには慎重にならざるを得ない相場であろう。
米経済指標に関する予測には、常に信憑性が乏しいことは既成の事実でもあり、今後もアナリストの『予測の予測』をするような事態は避けられないため、今後もビックイベントの指標については、特にレンジ幅を拡大して臨むことが賢明である。
専門家でも読みきれない経済予測を基にして、あれこれと論じても、結果は付いてこない。一喜一憂を演ずる相場は究極のディトレーダーでもある為替のプロにしか出来ない相談である。一般投資家は冷静に判断するためにも、相場にどっぷりと浸かるような売買手法は敬遠することが望ましい。基本的には相場が乱高下してからの始動に徹するぐらいの余裕が必要である。一般投資家は中期的な資産運用シナリオが必要であり、短期売買のディトレーダー的な発想のみでは長続きがしない。テクニカル分析やファンダメンタルズ分析に傾倒するよりは、負けパターンと勝ちパターンの自己分析をすることが先決である。特に勝ちパターンが見つかるまでは、常に少な目の投資金額で参加すべきであり、レバレッジは2~3倍以内に抑えて参加することも一つの条件である。

▲ 先のFOMCの議事録では、利上げ観測が若干上回っていただけに、今回の米雇用統計の悪化が米ドル売りを更に加速した要因でもある。そして、米金利の打ち止め観測を基に、米ドルの上値が更に重くなる認識は必要であるが、米雇用統計における非農業部門雇用者数の増減だけに捉われることがベストな判断ではなく、また、失業率4.6%への低下も同時に重視しなければならず、端的には米ドル売りを加速させるには早計であろう。依然として、110~113円のレンジ相場の域であることを再認識したい。
▲ シカゴの投機筋IMM通貨先物の推移を見る限り、主要通貨のロングが進んでおり、総じて、米ドルのショートが更に膨らみ、警戒感も増していることもあり、常に米ドルの買い戻しの事態は想定しなければならない。 そのためにも、ストップロスの置き方がキーポイントになる相場であり、積極的に相場に参加するときこそ、損切り丁寧に置く事が必須条件であり、中途半端な売買であるならば、損切りよりも、ポジションの縮小、又は模様眺めに徹することを勧める。
▲ 今週も各国要人発言が激化するだろうが、中心は週末の米貿易収支になる事は間違いなく、現段階でも原油価格の高騰、イラン問題などを考えても、改善見込みは不可能に近いが、相場が米ドル売りに傾斜している時だけに、サプライズは米ドルの上昇にしかありえないが、再び米金利の動向を監視する一週間になるが、米ドルの先行きを見極めるまでには時間を要すると判断する。
▲ 米金利の打ち止め観測とブッシュ政権が財政面でも新体制に移行していることを踏まえれば、利上げの可能性を残す手段も浮上し、簡単には米ドル売りが敢行できないとも言える相場である。欲張らず、111円前後の買い、又はポジション縮小及び解消を試みることが賢明であろう。

*******今週のペットでも判る簡単チャート『事前予測実施中』********
作成年月日 2006年6月04日(日) 週末の終値ベース


米雇用統計により、米ドルが急落を見せているが、総体的な乖離幅からすれば、ドル円を除けば、米ドルの売られすぎが顕著に見られる。状況的には米ドルの買戻しが生じてる段階でもあり、米ドルも弱いが、他の通貨にも力強さがないだけに、チャート上では米ドル買いに注目したい相場である。
ドル円 111.75円 様子見段階【ユーロドル1.2915⇔ユーロ円144.35】
平均乖離幅0.0950 現状乖離幅 0.7743−0.6927=0.0816
(1ユーロ÷1.2915=0.7743)=(100円÷144.35=0.6927)
乖離幅からは徐々にドル円の買いシグナルが点灯しつつあるが、もう一段の下落を生じてからの買いが賢明であるが、他の通貨ペアが対米ドルに買われすぎの傾向は否めない相場である。過去の乖離幅とドル円売買シグナルは1.2033(ドル円売り117.50)→1.2096(ドル円118.30)→1.2340(ドル円売り116.60)→0.0870(ドル円買い113.80) その後はは様子見が続いているが、乖離幅が0.08割れを見れば、米ドルの買いも検討したい。現状では111円割れがターゲットになる。((HP新外為の森⇒?ドル円参照)

ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅24円 現状乖離幅32.60←30.90円)
再度乖離幅が拡大中、先週は弱めの売り継続であったが、1.29台に乗せたことにより、強めの売りに転じており、1.2917で売りシグナル点灯中。
以下は一週間ごとの売買シグナル(事前予測)。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り←1.2030買い→1.2124売り→1.2269売り→1.2096買い→1.2340売り→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り←。2742売り継続中。

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅27.75←27.35円)
先週の様子見に続き、今週も変化が見られず、0.7517では様子見である。

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅37円 現状乖離幅41.35←41.30円)
先週と同様に、乖離幅の増減は少ない。0.6330の弱めの買いシグナルであるが、基本的には様子見レベルである。
週間ごとの売買シグナルは0.6082の買い→0.6334の買い→0.6380の買い→0.6422売りポジション解消→0.6200様子見→先週0.6335様子見。

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅17円 現状乖離幅10.25←10.85円)
依然として、買いシグナルが点灯しており、今週は更に強い買いシグナルが1.1010で点灯中。1.1000割れの展開に注目。
週ごとの買いシグナルは1.1057→1.1099→1.1180→1.1065

ポンド ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅13.25←15.90円)
ドル円111.75x2=223.50−ポンド円210.25=乖離幅13.25円
乖離幅が30円台からの10円までの縮小であり、乱高下が激しくなっているが、基本はポンドの買われすぎ段階であり、1.89前後では強い売りシグナルが点灯。現状の1.8815でも売りシグナルが点灯中であるが、目安としては1.89前後が上値の限界でもある。
先週までの乖離幅の推移は30円→25円→20円→15円→10円→13.45→15.90円と動きは激しい。ちなみに乖離幅別のポンドのレートを示すと、30円では1.7400買いゾーン、25円=1.78、20円=1.8250、15円=1.86,10円では1.89の売りゾーンである。  

スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅25円 現状乖離幅19.30←20.70円) 
今週も引き続き1.2088で買いシグナルが点灯。
週ごとの経緯は1.2261→1.1981→1.2165→1.2250→買いが継続中である。

豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅9.00円)13.60←13.95円)
最大乖離幅16円から、更に縮小しているが、豪ドル・NZドルも乱高下を続けており、乖離幅10~11円前後までの縮小を目標に豪ドル売り・NZドル買いを継続中。
過去の週間の推移は9.30→10.75→11.80→11.90→13.95→13.05→13.80→14.60←16.00→15.45→13.95円

単純加算方式 ユーロ円+ドル円(250円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
過去の経緯から判断しても、一時の円安は収束している。
2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44円
5月は257.50→255.70→252.25→256.30 6月初めは144.35+111.75=256.10と乱高下したものの、先週からの変化はみられない。

欧州通貨ペア(1週間毎の過去の経緯)
ユーロポンド『平均乖離65円 現状乖離幅65.90←65.90円』
乖離幅は先週と全く同じであり、先週は売りシグナル0.6854が点灯したが、今週も同レベル0.6865で売り継続中。過去は売りシグナルが続いたが、週ごとの売りは0.6941→0.6974→0.6939→0.6915→0.6924→0.6922→0.6822→買戻しシグナル0.6789。

ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅51.90←51.60円』
先週から動きは少なく、弱めの売りシグナルが1.5613で継続中点灯中。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5742様子見→1.5725様子見→
1.5744→1.5653売り継続→1.5607様子見→先週1.5544様子見

ポンドスイス『平均乖離25円 現状乖離25.35←25.50円』
弱めの買いシグナルが2.2742で点灯している。動きは少なく、当面の売り目標は2.2800レベル。 
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2684買い継続→2.2742→2.2735買い継続→2.2614買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2772買い弱め
新外為の森 参照 フリートライアル実施中
★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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