米国債格付け見直しも材料難否めず!直近のレンジ幅で対応?
米株式相場は小幅ながら3営業日ぶりに反落しているものの、終始小幅でもみ合う展開になっている。米格付けS&Pが米長期国債格付け見通しを引き上げたことから、一時ドル買いが優先される中、ドル円は一時99円台前半まで上昇したが、本日の日銀決定会合の結果を見極めたいとの思惑から、相対的にポジション調整売りが先行する格好でドル円の上値の重さに繋がっている。
一方、先週末発表された米雇用統計では雇用の回復傾向があらためて認識されているが、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和の出口戦略(QE3縮小)に至るほどの力強さには至っておらず、依然として、今後の米経済指標の動向に委ねられており、為替相場は株価動向をにらみながら波乱含みの展開を余儀なくされている。また、米株式市場に対する期待感は根強いものの、ここ最近の過熱感を踏まえた持ち高調整売りが随所に散見されていることも為替相場の波乱要因になっている。
他方、本日は日銀金融政策会合の公表と黒田日銀総裁会見に注目が集まる中、日銀金融政策会合では資金供給オペの年限を最長1年から2年に延長することを検討している一方、指数連動型上場投資信託受益権(ETF)の買い入れ枠拡大には消極的とされているため、相場自体を動意づかせるほどの材料は皆無に近く、そして、すでに安倍首相が成長戦略第3弾を発表している関係上、黒田日銀総裁の会見における市場へのインパクトは限られていると見なした方が順当であり、当面、98.00~99.50のレンジ幅で逆張り待機が一考であろう。