円売りに安堵感!ストップロス優先の展開で上値限定的?
先週末に発表された米雇用統計において、失業率は7.6%と悪化したものの、非農業者部門雇用者数(NFP)は17.5万人増と予想(16.3万人増)を上回り、市場へのインパクトは特になかったものの、FRBによるQE3縮小期待がやや後退したことを受けて、NYダウ平均株価が207ドル高と1万5千ドル台が維持されたことが好感され、相対的にドルの買い戻しが優勢になっている。それ故、ドル円は95円台から97円台半ばへと円売りに安堵感か生じているが、ドル円98円台では実需並びにポジション調整売りが待ち構えており、更なる上昇は見込みにくい相場環境にはある。
一方、為替相場が不安定な状態が続く中、日経平均株価は1万3000円を割り込んではいるが、本日の東京株式相場はNYダウの流れを引き継ぎ、自立反発気味に底堅い展開が予想されるだけに、ドル円の下値は限定的と見なす方が無難であろう。ただ、円相場並びに株式市場は先週以降ストップロス優先の展開を強いられているため、戻りも限定的になっている。
当面、再度ドル円100円台を回復するには、日本政府の対応次第であろうが、夏の参議院選挙を前にして、アベノミクス効果を更に強める必要性に迫られている。日本政府としては、すでに第3の矢を放っており、相対的に材料出尽くし感は否めないが、先に報じられた年金機構による外債投資などを踏まえて、何らかの対応策を講じる可能性がある。にしても、株価1万2,000円割れやドル円95円割れを阻止したいのが現状であり、基本的にはレンジ幅を拡大して、戻り売買に徹することが賢明であろう。
他方、ユーロドルはドラギECB総裁が金利を0.50%に据え置いた理事会後の会見で、マイナス金利導入に関して、現時点で行動する理由はないと述べたことから、ユーロ買いが進行、一時2月下旬以来の高値水準をつけているが、流石に1.33台では高値警戒意識が強まっている。そして、ECBは今年の成長率見通しをマイナス0.6%へ引き下げる中、経済見通しには下振れリスクがあるとの見解を示しており、ユーロの戻りは限定的になっている。