想定外の円高局面!市場の動揺隠せず、見極めの時期?
本日の米雇用統計を控えて様子見ムードが強まる中、ドル円が一時95円台へと円買いが急加速している。4月中旬以来、約1カ月半ぶりの円高水準まで達したことを受けて、市場全般が損失確定売りに席捲される中、売りが売りを呼ぶ展開となり、為替市場全般が様変わりの様相を呈している。後付け理由としては、円ショートやドルロングの膨らみ、過熱感の生じていた株式市場に対する警戒感、米連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れ規模の縮小、円キャリートレードの解消、そして、本日の5月米雇用統計に対する懸念など様々な要因があげられるが、市場が売り材料には敏感に反応する相場環境にあるとも言えるだろう。
一方、日本政府としては、ドル円の適正水準を90~100円と指摘した経緯があり、政府の見解としては予想範囲の振れ幅とみなすであろうが、基本的には7月の参議院選挙に向けて、急激な株安・円高は避けたいのが実状であり、現時点でドル円95円割れの状況はイメージしにくいだろう。また、本日の米雇用統計に対する懸念はある中、ドル円の急落にもかかわらず、NYダウは乱高下したものの、予想外に堅調に推移しており、前日比80ドル高と1万5千ドル台を回復していることが救いであり、過度な株安・円高期待は自重局面にある。
他方、ユーロドルは円相場に圧された格好で上昇を早め、一時1.3300台を回復しているが、
マイナス金利の導入を背景に不安定な上昇局面であり、引き続き戻り売りを優先することが一考であるが、総じて、市場全般がストップロス優先の展開を強いられている以上、予測不能の段階にあり、また、一連のチャート分析も機能しない相場環境にあるため、相場が大きく動意づいてからの始動を心掛けることが得策であろう。