ドル円100円割れが視野!過度な円高期待は自重?
米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和の早期縮小に踏み切るとの観測が浮上、欧米株が下落する中、日経平均株を筆頭にアジア株式市場でも軒並み下落しており、相対的なリスク回避による円買いの動きが広がっている。その中、シカゴIMM通貨先物市場においては、円ショートが危険水準の10万枚に接近しているため、当面、ドル円は100円割れが視野に入ったシナリオは考慮すべきであろう。ただ、アベノミクス効果を存続するためには、株高と共に、ドル円100円台維持が日本経済の活性化に必要であり、ドル円100円割れからのショートは自重局面にある。
一方、米経済指標は4月の個人消費支出は-0.2%と予想外の減少、約11ヶ月ぶりの低水準になったことを受けて、ドル売りを誘発しているが、その後、5月のシカゴ購買部協会景気指数が58.7と予想50を大幅に上回り、約14ヶ月ぶりの高水準に達している。また、5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は予想を上回り約6年ぶりの高値だったことでドルを買い戻す動きも散見されている。ただ、依然として、為替相場は株価動向に翻弄される相場環境に陥っている。NYダウが1万5千ドル台をキープ、そして、米長期債利回りが2.18%と高止まりしており、日米金利差拡大を背景に更にドル売りを仕掛けづらい側面がある。
他方、ユーロドルはドイツ小売売上高指数が低下すると共に、ユーロ圏失業率が過去最悪となり、上値の重い展開を強いられている。一部では、今週のECB理事会での利下げ観測が強まっていることもあり、再び1.3000台の上値の重さが意識されている。