月末控えてポジション調整主体の展開?
昨日は日経平均株価の急落が懸念される中、NYダウは乱高下を強いられたものの、前日比21.73ドル高の15324ドルと底堅い展開で取引を終えている。ただ、昨日発表された米新規失業保険申請件数が市場予想に反して増加、1−3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は小幅に下方修正、そして、堅調と見られていた4月の仮契約住宅販売指数は市場予想ほど伸びなかったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)が資産購入規模を早期に縮小するとの見方が後退すると共に、米量的金融緩和が長期化するとの見方が浮上するなど、再びドル売りに傾斜している。
一方、ドル円は日本株価の急落を受けて、一時円買いが進行したものの、日米金利差拡大や米景気回復期待に支えられる格好で円売りが加速し、101円台後半まで上昇したものの、同レベルでは実需並びに利益確定売りに圧された形で100円台半ば近辺まで下落するなど、市場参加者は月末を控えて、ポジション調整主体の展開を強いられている。ただ、厚生労働省から寄託されている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がポートフォリオ戦略の見直しを検討しているとの報道が伝わっており、ドル円の下支え要因になる可能性から、当面、ドル円100円台半ば割れからのショートは自重することが一考であろう。
他方、ユーロドルは特筆すべき買い材料はない中、米経済指標の冴えない結果を背景に1.30台半ばまで上昇基調を強めている。相対的には、フランスをはじめとした欧州主要国に対する緊縮財政策の延長などが寄与しているが、欧州全般の失業率の増加を含めて、経済情勢の改善の兆しが見られていないだけに、上値は限定的と判断するのが無難であろう。