外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >日米金融緩和策に変更なし!ドル円底堅い展開持続?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

日米金融緩和策に変更なし!ドル円底堅い展開持続?

注目されたバーナンキFRB議長の議会証言において、金融緩和を現時点で解除して、経済が好転する可能性は低いと述べる中、時期尚早な金融引き締めで金利は一時上昇し、経済が再び弱体化する可能性を指摘。また、雇用情勢は全般的に脆弱化しており、労働市場の見通し持続的に改善するまでは、出口戦略で資産売却は必ずしも必要でないとハト派的な見解を述べている。相対的に、米量的金融緩和策に伴う資産購入が早期に縮小されるとの観測が強まったことを受けて、ドル円は、一時103円台後半へと約4年7カ月ぶりの円安水準まで上昇、また、NYダウは一時154.82ドル高まで上昇する場面があったが、その後のFOMC議事録において、複数のメンバーが6月に資産買い入れの規模を縮小することに柔軟な姿勢を示したことを受けて、株価が反落に転じると同時にドル売りが優先され、ドル円は失速する格好で103円台前半まで急落するなど、往って来いの展開を強いられている。

一方、FOMC議事録においては、経済情報が十分に力強ければ、早ければ6月会合で積極的に購入の流れを下方修正したいと主張したことを受けて、再びドル売り志向が強まりつつあるが、米債券市場では10年債利回りが再度2%台を回復しており、日米の金利差拡大を背景にドルを積極的に売り込めない相場環境にあり、引き続きドルの買戻しが優先されるだけに、ドル円の下値は引き続き限定的とみなす方が賢明であろう。

他方、ユーロドルは、方向感に乏しい中、円相場に左右された展開となり、一時、1.3000へ接近する場面があったが、同レベルではポジション解消売りに圧された格好で1.28台半ば近辺まで下落するなど利食いと損切りが交錯しており、当面、1.2800〜1.3000のレンジ相場を重視しながらナンピン売買で模索することが一考であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド