ドル高一服!週末控えポジション調整主体の展開?
昨日発表された一連の米経済指標が弱い内容となったことを受けて、NYダウは利益確定売りに押される格好で反落、相対的にややドル売り優勢の展開になっている。米4月住宅着工件数は85.3万件となり、市場予想の97.0万件を大きく下回り、新規失業保険申請件数は36.0万件と予想比で増加して雇用環境の悪化が顕著になっている。そして、5月フィラデルフィア連銀製造業指数はマイナス5.2となり、市場予想のプラス2.0を大きく下回ったことなどが嫌気される中、ここ最近の株高を背景としたドル高が一服している。
一方、各国の要人発言が相次ぐ中、ラスキンFRB理事は金利引下げ目指す政策行動は雇用改善を促し物価下落防ぎ、超緩和的な金融政策の継続は適切だったとした上、健全な景気に到達までは程遠く、回復ペースは残念なほど緩慢と財政政策が重大な逆風要因と指摘している。また、欧州委員会タヤーニ委員がユーロは強過ぎるとし、ECBに対して輸出を支援するような水準に管理するよう望むとも述べているが、いずれの発言も市場の反応は限定的になっているように、依然として、株価動向を睨んだ展開を強いられている。
他方、債券相場は弱い米経済指標を受けて、米国債券利回りは低下傾向を示しており、再びリスク回避志向が強まりつつある。ただ、週末を控えたポジション調整主体の展開も予想されるが、短期筋の仕掛けを待ってからの始動が得策であり、ある程度の波乱相場を想定した上、直近のレンジ幅で売買を模索することが一考であろう。