株高期待で円売り志向強まる!ドル円105円視野も時期尚早?
NYダウ平均価が史上最高値を更新した流れを引き継ぎ、本日の日経平均も節目15,000円台を回復する見込みから、円安の支援材料への期待が高まっている。ドル円は2008年10月14日以来約4年7ヶ月ぶりの102円台半ば近辺まで上昇しており、市場のコンセンサスは俄かに次なる節目である105円が視野に入りつつある。
一方、円債利回りも上昇過程にあるため、金利上昇による日本政府の財政負担も論じられているものの、インフレターゲット2%を目指しているアベノミクス期待の一環であり、当面、金利高による影響も軽微との見方から、株高・円安の構図が持続する可能性が強まっている。ただ、急ピッチの株高・円安による警戒感もあり、随所に利益確定売りが散見されるだけに、あくまでも段階的な円売り局面と判断するのが順当であろう。そして、安倍政権下においては、ドル円100円までの円安期待は根強いものがあったが、今後もユーロ圏における財政危機問題や過熱感のある米株式市場の急落など円安進行を阻む要因は複数あるため、一方的な円安相場を危惧する声も少なくなく、ドル円102円台からのロングは控えめにすること得策であろう。
他方、ユーロ圏では格付け会社フィッチがギリシャを格上げ、見通しも安定的としたことやアスムセンECB専務理事がユーロ圏の鉱工業生産は進展を見せており、ドイツ経済は比較的強く、第1四半期にプラス成長回復見込む旨を述べたことから、相対的なリスク回避の動きが後退し、一時1.300台まで上昇したものの、米景気に対する先行き期待からドル買いに圧された格好で伸び悩んでおり、日米の景気動向に左右される展開が予想される。
豪ドルはパリティ割れへと失速しているものの、豪ドル円は円安相場に助けられた格好で100円台を維持しており、下値は限定的になりつつある。そして、既にドル円との乖離幅が1円程度まで拡大していることもあり、豪ドル円ロングに妙味が生じている。