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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円売りに安堵感!ドル円105円台が視野に?

ロンドンで開かれた主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、2008年以来の安値を更新した円相場に関して、麻生太郎財務相はG7後の記者会見において、日本の政策に批判的意見は出ず、対ドルで100円を突破した円安について、どうのこうのという意見は一切なかったと述べている。表面的には円安容認姿勢が維持されていることを受けて、円売りに更なる安堵感を与えている。そして、ドル円は世界的株高の影響を受けて、足早に102円寸前まで迫る展開を見せている。ただ、同レベルをではポジション解消の動きもあり、一旦円安相場は小康状態にあるが、至上のコンセンサスは次なる節目であるドル円105円台が視野に入りつつある。

一方、ショイブレ独財務相は為替レートの推移を見守っていると述べる中、我々は日本の当局者と同国に関して活発な議論を行ったと指摘、また、フレアティ加財務相は、為替レートについて、改めて懸念の表明があったと指摘している。現時点では過度な円安に対しては懐疑的との見方も少なくないが、日本政府のデフレ脱却に向けては好意的と判断するのが妥当であろう。

他方、ユーロドルはECBの追加利下げが意識される中、1.30をブレイクし、一時1.29台半ば割れまで下落している。ただ、同レベルでは値ごろ感の買いや利益確定買いも散見されており、引き続き波乱含みの展開を余儀なくされているが、相対的には、米景気回復期待を踏まえ、FRBによるQE拡大のシナリオが後退する中、ECBのみならず、アジア諸国やオセアニアなど各国が追加緩和を打ち出していることなどがドル買いに拍車をかけている。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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