ドル円100円再挑戦に向けて再始動!道険し?
大型連休明けでもあり、本日はポジション調整主体の展開が予想されるが、昨日、ドラギECB総裁が利下げに関しては、ユーロ圏の主要国の景気減速に対応したものであるが、場合によっては行動する用意があると言及している。また、先週のECB理事会後の会見で同総裁が、マイナス金利の可能性も辞さないとの考えを示しているため、ユーロは終始上値の重い展開を強いられている。ただ、マイナス金利導入に関しては財政難に直面している南欧諸国には寄与する案件であろうが、反面、加速的なユーロ離れや将来的な長期金利の上昇を招きかねない可能性もあり現実味には乏しいと言わざるを得ない。過去においては逃避通貨や預金対策などで利用されているスイスフランにはマイナス金利導入の実績はあるが、あくまでも暫定的な処置であり、今のようにユーロ通貨が脆弱性を帯びている段階では、早期実施は想定しがたいと言うのが本音であろう。
一方、先週末の米雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を上回り、前回分も大幅に上方修正される中、失業率も7.6%から7.5%に低下するなど、4月雇用統計の強い内容を受け、NYダウが一時15000ドル台の史上最高値を更新したことから、株高・円安基調に弾みがついている。ただ、雇用増加の3分の2は比較的低賃金の雇用増加によるものであり、雇用情勢が本格的には回復していないとの観測があり、株式市場には高値警戒感も浮上しており、素直に株高・円安との構図は描きにくい状況であり、ドル円100円への再挑戦には更なる支援材料が必要であろう。