ドル全面安も戻り売りに専念?
昨日発表された4月のシカゴ地区購買部協会景気指数が49.0と前月の52.4から低下、2009年9月以来の低い水準となるなど、弱い米経済指標の発表が相次いでいることが嫌気される中、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和策を早期に見直すとの観測が後退し、ドル売りが優勢の中、ドル円は一時97円割れ、そして、ユーロドルも1.32台を伺う展開を強いられている。
一方、本日発表される連邦公開市場委員会(FOMC)声明は比較的ハト派な見方が優勢であるが、2月の住宅価格指数においては、主要20都市圏指数が約7年ぶりに前年比で9.3%上昇しているように、米景気の底堅さを示す内容である。また、NYダウも堅調な動きで終始しており、ドル売りを積極的に敢行する地合いには至っておらず、当面、ドルの戻り売りを一考することが賢明であろう。
他方、ユーロ圏では、イタリアの政局不安が燻る中、イタリア上下両院の信任を受け、レッタ大連立内閣が正式に発足したことを受けて、市場は一応政治空白の回避とともに、新政権への期待感もあり、イタリア10年物国債利回りは4%を下回る水準まで低下したことを受けて、ユーロの買戻しが優先されている。ただ、ECB理事会の利下げ観測は根強く、上値は限定的と判断するのが一考であろうが、市場の関心は週末の米雇用統計の発表に移る中、本邦の大型連休やアジア市場の休場も相混じり、相対的にポジション調整局面になる可能性が強く、直近のレンジ幅で売買を模索することが得策であろう。