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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円安に収束感!ドル円100円→95円?


本日は大型連休の谷間で方好感に乏しい展開が予想されるが、投機筋のIMM通貨先物においては、ドル円が100円目前で失速したこともあるが、円ショートポジションが相対的に減少傾向に向かっており、以前ほどのような円売りの勢いは後退しつつある。その中、米国では、先週末に第1・四半期国内総生産(GDP)成長率が予想を下回ったことに加えて、昨日も個人消費支出(PCE)価格指数の前月比が総合でマイナスとなるなど冴えない状況になっており、一部では米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和を早期に解除するとの観測は後退しており、総じてドル売りが優勢になっている。

一方、先週発表された日銀の展望リポートでは、2年程度で2%の物価上昇率を達成できるとの道筋が示されたものの、依然として非現実的な見通しと懐疑的な見方が大勢を占めている。そして、米景気減速懸念を背景に、株式市場の高値警戒感も踏まえながら、円を買い戻す動きが優先されており、市場のコンセンサスとしても、ドル円相場は100円の円安から95円の円高に傾斜しつつある。

他方、欧州圏ではスペインやフランスの雇用が依然として回復の兆しが見えない中、直近のドイツ景況感指標も弱含んでいることから、市場はECBの利下げ期待を強めているが、市場では概ね利下げ効果は限定的との見方もある。そして、混乱していたイタリア政局不安が連立政権発足により、ひとまず収束したことが好感される中、同国債利回りが低下し、ユーロの買戻しがやや優勢になっており、改めて、ユーロドル1.3000前後の底堅さが意識されている。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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