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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドル復活相場に要注意! ドル円113円・ユーロドル1.2600への調整も?

▲シカゴIMM先物通貨だけを見れば、久方ぶりに円ロングが3週も続いている。金利動向には無縁と言いながらも、投機筋の円買いが長く続くとは思えない状況でもある。米ドルのショートが全通貨に及んでいるが、マーケットは米ドル買い調整に移行しているため、なかなかイメージしにくい相場と言えます。スイスフランも僅かなショートであり、再度米ドル買いの体勢が整いつつある。米ドルの上昇は限られているものの、相体的にマーケット心理が米ドルショートに傾斜しすぎた反動も十分に考慮しなければならない一週間とも言える。
▲基本的に相場の流れは、米ドル売りが健在であるが、市場参加者の見方は米ドル売りが優勢と言いながらも上昇不安も高まりつつあり、先週と同様な乱高下は必至となるだけに、上値に対するストップロスの置き方と展開の速い売買シナリオで勝算が分かれる相場である。しかし、一般投資家にとっては、相場が動いてからの売買に徹した方が賢明でもあり、臨機応変な売買が必要である。機関投資家及び実需の輸出入の動向が不透明で、まだら模様のような見解も多く、その上、ヘッジファンドの仕掛け局面も考慮しなければならない。難易度が高まる相場では逆張り戦術に徹することしか出来ないが、想定したレンジ幅に重点を置くことが大事であり、そして、相場の歪みを矯正する局面を狙いたい相場である。この1~2週間のレンジ幅を見極めながら、戦略を構築することが良策である。ドル円110円割れの買いと113円までの上昇、そしてユーロドルの1.26割れと上値の1.29まで視野に入れて臨むことを勧める。
▲22日にはトリシェ総裁、23日はバーナンキFRB議長の発言も注目されるが、市場が敏感でもあり、経済指標には反応薄でも要人発言には要注意とも言える週である。ポジションの調整加減を強いられる局面だけに、一歩下がったポジションで様子を見ながらの行動が賢明とも言える。

*******今週のペットでも判る簡単チャート『事前予測実施中』********
作成年月日 2006年5月21日(日) 週末の終値ベース
先週は米ドルの逆襲相場のようではあるが、チャート上では米ドルの売られすぎと共に円高のテンポが早すぎた反動でもある。今週は米ドルの上値が重くなると見るのは早計であり、ポジション調整局面がまだ必要と思われる。先週もレポートしたように円を除く各通貨には売りシグナルが点灯しており、もう一段の売りが生じても問題がないレベルである。
安全を期すならば、再度米ドル売りが進行し、ユーロドル1.29台、ポンド1.89台であれば、かなりリスクも限定される相場である。要はドル円の動向がキーポイントになる相場であり、ドル円が110円から112円のレンジであれば、上記に述べたようにユーロドルの売りとポンド売りも視野に入れても問題はない。チャート上の乖離幅の数字だけではなく、チャート図を見ながら判断してください。

ドル円 111.70 未だに様子見段階【ユーロドル1.2778⇔ユーロ円142.73】
平均乖離幅0.9500 現状乖離幅 0.7826−0.7006=0.0820
(1ユーロ÷1.2778=0.7826)=(100円÷142.73=0.7006)
今週も様子見状態であるが、相対的には転換期でもあり、ドル円主体の相場よりも、他の通貨に売買シグナルが顕著に現れているだけに、引き続き様子見状態が続いている。
(HP新外為の森⇒ドル円 ?参照)

ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅24円 現状乖離幅31.03←31.25円)
先週はかなり強めの売りシグナルが1.2921で点灯していたが、再び1.28割れの展開であるが、依然として売りシグナルが点灯中であり、買戻しには時期尚早であり、1.2778の売りシグナルが点灯している。
以下は一週間ごとの売買シグナル(事前予測)。1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り←1.2030買い→1.2124売り→1.2269売り→1.2096買い→1.2340売り→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅27.00←25.00円)
先々週から売りシグナルが点灯しており、先週も0.7728で売りシグナルが点灯していたが、今週の0.7583レベルでは買戻しの枠内にある。一部買い戻しも検討し、様子を見ることも、強い売買シグナルは出ていない。

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅37円 現状乖離幅42.45←41.00円)
ようやく落着きを取り戻しており、現状では売買シグナルも強くなく、0.6200で様子見に突入している。
週間ごとの売買シグナルは0.6082の買い→0.6334の買い→0.6380の買い→0.6422売りポジション解消→様子見が続いている。

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅17円 現状乖離幅11.79←10.90円)
連日買いシグナルが点灯しており、週ごとの買いシグナルは1.1057→1.1099→今週も1.1180で買いシグナルが点灯
▲ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅13.45←11.65円)
先週も述べたが、乖離幅が急速に縮小していたが、落着きを取り戻しているが、まだ売りシグナルが点灯している。先週の強めの売りシグナル1.8942から現状の1.8796売りシグナルに移行しているが、先週までの乖離幅の推移は30円→25円→20円→15円→10円と短期間で動きは激しいだけに、少なめの売りから入りたい。

スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅19.88←18.20円) 
先週は米ドルの売られすぎもあり、強い買いシグナルが1.1981で点灯していたが、今週は1.2165まで戻りをみたが、まだ不充分であり、依然として買いシグナルが1.2165で点灯中。

豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅9.00円)15.45←16.00円)
先週の乖離幅16円から弱冠の縮小はあるが、未だに高水準の乖離幅を維持している。NZドル弱さも沈静化すれば、再度縮小に向かう可能性が高い。これからの豪ドル売り・NZ円買いにはリスクは限定的な相場である。
過去の推移は9.30→10.75→11.80→11.90→13.95→13.05→13.80→14.60←16.00

単純加算方式 ユーロ円+ドル円(250円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
過去の経緯2月中の平均258.80 3月中の平均257.83 4月中の平均260.42 5月は257.50→255.70→252.25と円高基調がはっきりしている。先週同様に250円前後のドル円買い+ユーロ円買いにも注目したい。

欧州通貨ペア(1週間毎の過去の経緯)
ユーロポンド『平均乖離65円 現状乖離幅67.22←66.25円』
先週は弱めの売りシグナルが0.6822で点灯していたが、今週は買いシグナルが点灯しており、0.6798の買いでポジション解消、その後は様子見に転じている。
過去の売りシグナルは0.6941→0.6974→0.6939→0.6915→0.6924→0.6922→0.6822買戻し

ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅50.91←50.35円』
乖離幅も大きな変化がなく、1.5544で様子見である。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5742様子見→1.5725様子見→1.5744→1.5653売り継続→1.5607様子見

ポンドスイス『平均乖離25円 現状乖離26.31←24.75円』
比較的穏やかであり、先週の弱めの買いシグナル2.2694で点灯しているが、状況を見ながら様子見レベルが正解であろう。
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2684買い継続→2.2742→2.2735買い継続→2.2614買い→2.2795売り→2.2694弱め買い→2.2865売りポジション解消、そして様子見へ。 
新外為の森 参照 一週間フリートライアル実施中
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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