ドル円100円意識も時期尚早?
昨日は中国4月HSBC製造業PMIの予想以上の悪化を背景にリスク回避の円買いが優先されていたが、欧米株式市場が堅調だったことが好感される中、円売りが加速し、再度99円台半ば前後まで回復し、ドル円の底堅さが再確認されている。しかし、全般的に調整の域を脱してはおらず、相変わらずドル円100円台の上値の重さは意識されている。
一方、NYダウ平均株価はホワイトハウスで2度の爆発があり、オバマ大統領が負傷したというハッカー攻撃による虚偽報道により乱高下したものの、158ドル高で引けている。本日の日経平均並びにアジア株が堅調に推移することが予想されるため、円安基調が更に強まる可能性がある。その中、ドル円は引き続き心理的節目となる100円台を意識した展開になるだろうが、既に、幾度となく跳ね返されていることを踏まえると、引き続き99円台半ば前後での攻防が有力視されており、戻り売りを優先することが一考であろう。
他方、ユーロドルは低調な4月のドイツの製造業とサービス業のPMIを受けて、ECBの利下げ観測期待の高まりから終始軟調な動きではあるが、反面、円売りが加速したことを受けて、一時1.30台を回復するなど、一見底堅い状況にあるが、円売りに助長された側面が多々ある。また、ドイツ経済指標の悪化を背景に欧州景気の先行き懸念が広がりつつあり、当面、ドル円と同様に戻りは限定的と判断したほうが順当であろう。