ドル円G20待ちも上値も下値も限定的?
米ワシントンで開催されている20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控え、市場は相対的に様子見ムードが強いが、米新規失業保険申請件数や4月フィラデルフィア連銀景気指数が市場予想を下回り、また、3月の景気先行指標総合指数も市場予想に反して前月から低下するなど冴えない経済指標を背景に、米景気の先行き不透明感を踏まえたドル売りがやや先行している。その中、NYダウが続落していることもドル売りを誘発しているが、ただ、市場のコンセンサスは、依然として、G20の成り行きを見極めたいとの思惑から為替相場自体は微調整に終始している。
一方、G20における円安批判は根強い状況であるが、日本経済のデフレ脱却向けた大胆な金融緩和策はほぼ理解されている関係上、ある程度の円安は容認済みとの見解が少なくなく、総じて、円売りには安堵感が生じている。ただ、ドル円100円台以上ともなれば、深刻国のみならず、米欧側からの反発も想定しなければならず、現段階では下値も限定的であるが、上値も限定的と言わざるを得ないだろう。
他方、ユーロドルはラガルドIMF専務理事がECBは金融政策で行動の余地があると述べたことから、欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏み切るとの観測を背景に、やや下げ足を速めていたが、1.3000割れには至らず、ドル円と同様に、G20の結果を見極めたいとの思惑から方向感に乏しい状況ではあるが、引き続き1.2950〜1.3150のレンジ幅を重視して臨むことが一考であろう。