だぶついた流動性資金に変化の兆し!読みきれない展開?
欧州財政懸念、中国の景気減速懸念、そして、地政学リスクなど多種多様な材料を背景にして、為替市場は引き続き波乱含みの展開を余儀なくされている。その中、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に様子見ムードが強待っているが、ドイツ経済指標の悪化、そして、格下げ問題の噂が浮上するなど相対的にユーロ売りに傾斜している。そして、バイトマン独連銀総裁が、新たな情報次第では金利を調整する可能性があると述べたことも嫌気され、ユーロドルはストップを巻き込み1.3000近辺まで下落するなどユーロドルは前日の上げ幅が解消されるなど、改めてユーロの上値の重さが意識されている。
一方、ドル円はG20を控えて、新興国などからの円安批判は根強いものがあるが、デフレ脱却に向けた日銀の大胆な金融緩和策は概ね歓迎されており、極端な円安批判には繋がらないとの見通しである。また、先週4年ぶりの高値であるドル円99円台後半から、既に下回る水準で推移している関係上、一方的な円高局面にはなりにくい相場環境にある。当面、97〜99円のレンジ幅で注視せざるを得ないだろう。
他方、米景気回復期待は高まる中、NYダウが下落、そして、金および原油価格も下落基調を強めている。そして、債券利回りが低下傾向を示しているように、リスク回避の動きは顕在化しつつあるが、日米欧による過剰流動性資金がマーケットを左右させる展開が予想されるだけに、いずれの市場も安易に読みきれない外部環境に直面している。