急ピッチの円売りに困惑気味!ドル円100円は時期尚早?
欧州財政危機や本邦の異次元の金融緩和策の中、注目された3月の雇用統計における失業率は7.7%から7.6%へと改善したものの、非農業部門の就業者数は季節調整済みで前月比8万8000人増と、前月の26万8000人増から大幅に鈍化した事が嫌気され、米景気回復期待が鈍化したことを受けて、市場は波乱含みの展開を余儀なくされている。
一方、ドル円は弱い米雇用統計にもかかわらず、円売りの動きに歯止めがかからない。本来ならば、リスク回避によるドル買い及び円買いに繋がる可能性が強い筈であるが、日本銀行が市場予想を上回る規模の金融緩和策が手掛かりとなり、大量のストップロスを巻き込みながら想定を上回る勢いで円売りが加速している。先週末は一時98円台に迫る展開を見せていたが、週明け早々にも同レベルを突破しており、ドル円100円を意識せざるを得ない展開に陥っている。また、格付け会社フィッチは日銀の金融緩和について声明を発表、今回の日銀の大胆な金融緩和は時間稼ぎの段階であり、財政安定に向けた新たな政策が打ち出さなければ、格下げにつながる可能性があると指摘していることが円売りを助長させている。
他方、ユーロドルは、ユーロ側からの特筆すべき買い材料はない中、米雇用統計の悪化に加えて、円売りが急加速したことを背景に1.3000台を回復している。ただ、ユーロ円の買いに支えられた側面が多々あり、引き続き戻り売りが優先される展開には変化はないだろう。いずれにしても、円相場を中心に波乱含みの展開を余儀なくされているだけに、少な目の売買で対応することが一考であろう。