円売りに安堵感!反動売りに警戒?
日銀新体制の下、初めての金融政策決定会合で予想を上回る大胆な金融政策を打ち出した結果、ストップロスを巻き込み円売りが急加速、節目と見られていたドル円95円台を難なくクリアーするなど、円売りに安堵感が芽生えている。黒田日銀総裁は、2年程度で2%の物価安定目標を実現するために必要な措置はすべて取ったとしながらも、経済も金融も生き物なので、その時々の状況を見て、必要あれば躊躇なく調整していくと述べるなど、更なる金融緩和策を辞さない強硬姿勢を示している。それ故に、本日も株価の上昇が見込まれるだけに、市場には早くもドル円100円台に向けた円安シナリオも浮上し始めている。
一方、ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)は政策金利を過去最低の0.75%で据え置く中、ドラギ総裁は、ユーロ圏では下半期に段階的な回復が始まる見通しであるが、依然として下振れリスクはあるとし、標準的措置と非標準的措置の両方を検討すると慎重姿勢を示している。ただ、一部市場で観測されていた利下げに関しては、特に言及を避けた形であり、相対的にユーロの追い風になっている。ただ、円売りが加速する中、ユーロ円の上昇に伴うユーロドル高とも解釈できるため、ユーロドル1.3000台は時期尚早と言わざるを得ないだろう。
他方、市場は既に本日の米雇用統計に注目しているが、先のADP雇用統計の悪化を受けて、改善期待はやや後退している関係上、ドルを積極的に買い戻す動きは限定的になっている
が、米債券利回りが低下傾向にあるように、リスク回避の動きは根強く、安全資産としてのドル買いニーズは根強いものがある。