円売りに息切れ感!ドル円95円が重石?
欧州情勢に対する緊張感が高まる中、昨日発表された米ISM製造業景気指数は新規受注の減少に伴い、事前予想を下回ったことが嫌気されドル売りが優勢の展開となり、ドル円は93円台前半へと安全資産である円買いニーズが増している。
一方、アベノミクスへの期待感は株高を背景にして、依然として、根強いものがあるが、3本の矢の一つである成長戦略の道筋が不透明な段階なだけに、市場の円安期待もやや希薄になりつつある。それ故に、ドル円は徐々に利益確定売りに押された格好で上値の重さが再認識されている。ただ、ISM指数に関しては、受注や生産の景況感が落ち込んでいるものの、雇用情勢は改善を見せており、週末の米雇用統計への改善期待もあり、ドル売りを強行できるほどの材料には乏しい状況にあり、一気に円買いが加速する相場環境には至っていない。
他方、日本勢は本日から新年度入りとなる中、海外勢もイースター休暇明けでもあり、その中、今週は日銀決定会合、ECB理事会、そして、週末の米雇用統計などの重要イベントを控えている関係上、市場参加者はこれらの動向を見極めたいとの思惑から積極的にポジションを取りきれない相場環境に直面している。当面、直近のレンジ幅で売買を模索するしか妙味はないが、ユーロドルは欧州情勢への根強い警戒感から、市場のコンセンサスはドル円と同様にユーロの戻り売りが優先されている。