海外休場で様子見色強まる!見直しの時期?
特に目新しい材料はないが、キプロス中央銀行による資本移動規制によって、1日に引き出せる預金の上限を300ユーロとし、また、キプロス国外の口座への送金を制限される中、銀行は昨日正午に営業を再開し、取り付け騒ぎもなく無事終了したことを受けて、ユーロを買い戻す動きが高まり、ユーロドルは1.28台を回復している。また、スペインとイタリアの国債利回りが低下したこともユーロ買いに繋がっている。ただ、更に買い進む材料としては希薄であり、引き続き1.28前後でもみ合い相場と化している。
一方、来週の日銀金融政策決定会合に注目が集まるが、日銀の黒田総裁は参院財政金融委員会で、国債購入について残存期間がより長期のものも含めバランスの取れた買い入れが必要と指摘、そして、購入対象として、リスク資産も検討課題になると述べているが、いわゆる大胆な金融緩和への道筋としては物足りなさを感じる発言であり、日銀主導による円売り局面にも限界点が見え隠れしている。
他方、キプロスの銀行が約2週間ぶりに営業を再開し、欧州債務危機への懸念が和らいだことをきっかけに、NYダウ平均並びにS&P500が史上最高値を更新するなど、米景気回復期待はより一層高まっている。ただ、株高が以前ほど円安に波及しておらず、株式主導による円安には息切れ感が生じているため、当面、ドル円95円台の上値の重さが意識されている。