キプロス情勢混沌!ドル円・ユーロ視界不良?
キプロス情勢に特に進展が見られない中、ユーロ売りが加速、一時、イタリア国債入札の不調に終わったことが嫌気され、ユーロドルは1.27台半ば近辺まで下落するなどリスク回避の動きは更に強まっている。ただ、 同レベルでは利益確定買いや調整買いが散見されるなど下げ止まりの感は否めないが、引き続き、市場のコンセンサスは戻り売りが優先され易い地合いに陥っている。
一方、キプロス中銀によれば、2週間ぶりに本日から国内の銀行営業を再開するが、海外への資本流出を防ぐため、4日間の資本規制によって取引は制限される見通しである。内容的には、預金引き出し額の上限が1日当たり300ユーロに設定されているほか、資本規制には定期預金の中途解約と小切手の現金化の禁止、そして、キプロス国外の口座 への送金が制限される見通しであるが、もはや銀行としての機能は完全に失われているのが現状である。
その中、市場では、キプロスの事実上の破綻は必至との見方が大勢であり、既に高額の預金は海外支店を通して、8割方流出しているとの観測が浮上するなど、依然として、混乱は避けられない情勢にあるため、ユーロの戻りは限定的にならざるを得ないだろう。
他方、ドル円は日銀の大胆な金融緩和期待による円売りとリスク回避の円買いに挟まれ、94円台半ば前後で試行錯誤を繰り返している。現状では3月末の決算期を向かえて、レパトリ(利潤送還)による円買いも観測されるなど、相対的に上値の重い展開が予想されるが、当面、93.50~95円のレンジ幅で売買を模索することが無難であろう。