キプロス情勢の行方定まらず!波乱含みの展開へ?
キプロスの先行き不透明感が根強い中、NYダウ平均株価は2月耐久財受注や新築住宅販売件数の結果が好感され大幅に反発して引けている。世界的な株価の上昇を伴い、相対的にリスク回避の動きは一服しているが、市場には、依然として、ポジション調整売りやストップロス売りが優先されている関係上、ユーロドルおよびドル円の戻りは限定的になっている。
一方、欧州委員会において、破たんした銀行の処理に関する新たな法案で、10万ユーロを超える預金者に負担を求める可能性が排除されていないと述べたことで、ユーロドルは下げ足を速める中、一時、昨年11月の安値圏である1.2830割れまで値を下げるなど、キプロス情勢を背景としたユーロ売りは根強いものがある。ただ、売り一巡後は、利益確定買いや値ごろ感の買いが隋所に散見されるなど、再度1.28台後半まで買い戻されるなど、相変わらず神経質な展開を余儀なくされている。
他方、ECBは、既に100億ユーロの支援策に合意し、キプロスへの流動性供給の継続を決定しているが、キプロス救済策の行方が混沌とする中、国内銀行の本格的な再開見通しも不透明であり、仮に再開されたとしても、預金引き出しなどを含めて、資金流出が避けられない情勢にあるだけに、局所的な金融システムの崩壊に繋がる可能性もあり、短期的にもユーロを積極的に買いあがる機運はうせており、引き続き戻り売りを優先することが一考であろう。
他方、ドル円は、先に黒田日銀総裁が長期国債の買い入れにより金利を押し下げる意向を表明したことにより、来週の金融政策決定会合では積極的な金融緩和への期待がより一層高まったことを受けて、ドル円の下支え要因になっているが、同時にリスク回避の円買い需要に挟まれる格好で、安易にポジションを取りづらい状況に直面している。当面、94~95円のレンジ幅を重視し、同レベルからのナンピン売買を模索することが賢明であろう。