キブロス問題でリスク回避再燃!日銀新体制で円高懸念希薄?
ユーロ圏財務相会合はキプロスが支援を受ける条件として、同国は10万ユーロ未満の銀行預金に6.75%の課税、10万ユーロ以上の預金に9.9%の課税を実施する旨を発表、銀行預金への課税という異例な措置を盛り込み、総額100億ユーロ規模のキプロス救済計画に合意した旨が発表され、これらを嫌気した格好で、ユーロドルは一時1.29割れへとは週明けから急落して始まっている。ユーロ域内では、未だに、イタリアの政局不安に加えて、スペインおよびギリシャなどの財政再建計画が危機として進展していないにもかかわらず、今回のキプロスの新たな問題が加味されたことを受けて、ユーロ圏の先行き不安がより一層高まっている。
一方、ドル円は先週のNYダウ平均株価が10日ぶりに連騰記録をストップしたことを受けて、投資家のポジション調整や利益確定売りが優先され、一時95円割れ目前まで下値を探る展開を強いられているが、20日付けで、日銀が新体制の下で金融緩和を強化するとの観測から底堅い展開が予想されている。ただ、今回のキブロスの救済計画の合意を受けて、再びリスク回避の円買いに拍車がかかっており、週明けのドル円相場は95円割れへと動揺を隠せない環境にあることは否めないだけに、当面、94.00~95.50のレンジ幅で売買を模索することが賢明であろう。
いずれにしても、当面、キブロスの沈静化を待つしかないだろうが、米景気回復期待を背景にした株高・円安の流れには大きな変化はなく、加速的な円買い相場にはなりにく意図判断し、ドル円およびクロス円は、もう一段の下げ局面では再度ロングに転じることが一考であろう。