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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

売買材料希薄!一進一退の展開?

特筆すべき材料のない中、為替市場は相対的に動意薄の展開を余儀なくされている。NYダウは辛うじて史上最高値を更新しているものの、過熱感による利益確定売りに圧される格好で伸び悩みの兆しを見せており、本日の日経平均株は調整局面入りとなる公算が高まり、株高を背景とした円安局面に一服感が生じている。ただ、日米金利差の拡大を背景としたドル買いニーズは健在であり、ドル円は引き続き96円前後で一進一退の展開が予想される。一方、民主党が岩田学習院大教授の日銀副総裁就任に反対する方針を固めたとの報道を受けて海外勢中心に円が買い戻される場面もあったが、日本政府主導の追加金融緩和策への期待感は根強く、また、日銀正副総裁の交代人事は規定路線であることから、過度な円買いにも歯止めがかかっている。それゆえに、当面、金融緩和無制限を背景とした株高・円安を軸とした展開が予想されるが、反面、アベノミクス効果による急ピッチの円安、そして、様変わりしている株高に違和感が生じており、市場参加者は更なる円売りに慎重にならざるを得ない状況に直面している。

他方、ここ最近の米経済指標の改善が進む中、本日は米2月小売売上高や米2月財政収支が発表されるが、景気回復期待を背景に改善予想が見込まれている。高値警戒感のあるNYダウが再度、史上最高値を更新する可能性から、ドルは底堅い展開が予想されるため、ドルの戻り買いを優先することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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