ドル円100円台意識!難攻不落?
相対的にドル買いの流れは一服しているものの、NYダウが小幅続伸、連日のように史上最高値を更新する中、ドル円は早朝から96円台後半へと2009年8月以来の高値圏まで上昇している。総じて、株高・円安の構図は希薄になりつつあるが、株価が堅調に推移している間は、円を買い戻す動きは限定的にならざるを得ない状況にある。そして、債権市場においても、日米10年債券利回り格差が更に拡大傾向を示していることもドル円の底堅い動きにつながっている。
一方、次期日本銀行総裁候補である黒田アジア開発銀行総裁は、昨日も参院議院運営委員会での所信聴取で、日銀が掲げる物価上昇率2%の目標を1日も早く実現することが何よりも重要な使命と改めて示しており、市場の関心は徐々にドル円100円を意識し始めている。ただ、アベノミクスを背景とした日銀追加金融緩和策はある程度織り込んでおり、ドル円100円台を目指す展開には新たな円売り・ドル買い材料が求められる。
他方、ユーロドルはイタリアの政局不安を抱える中、1.3000台を堅持しているものの、やや円売りに助けられた側面が多々あり、未だに12900〜1.3100のレンジ幅で流動的な段階と言わざるを得ない。ただ、世界的な株高を背景にして、市場の不安心理の度合いを示すVIX(恐怖指数)が約6年ぶりの水準にまで低下するなど、市場は徐々に冷静さを取り戻しており、ユーロの下値は限定的と見なしたほうが無難であろう。