ドル円95円達成!反動売りに警戒?
米経済への回復が見込まれる中、ドル円が95円台を一時突破し正念場を迎えている。昨日発表された米新規失業保険申請件数は好調な内容となり、市場のコンセンサスは、本日発表される米雇用統計に対する期待感がより強まる中、大きな節目と見られていたドル円95円台を実現している。ただ、同レベルでは達成感も踏まえた利益確定売りや実需売りが散見されるなど、更に円売りを強行する難しさもある。また、海外勢からの円安批判が再燃する可能性も捨てきれず、当面、ドル円95円台からのロングは自重局面とみなし方が賢明であろう。
一方、イタリアの不安定な政局を背景に、昨日のECB理事会では事前予測どおりに、政策金利を現状維持0.75%で据え置きを決定。その後、ドラギECB総裁は政策決定後の記者会見で、ユーロ圏経済が2013年中には段階的に回復するだろうと述べる中、ユーロを買い戻す動きが強まっている。ただ、ECBはユーロ圏の今年の成長率をマイナス0.5%と予想、先に予測していたマイナス0.3%から下方修正している。また、来年についてもインフレ率見通しを1.3%とし、前回予想の1.4%から引き下げており、相対的に不透明感が漂う外部環境に陥っている。
他方、ドラギ総裁は景気見通しに対するリスクは下方向であり、インフレ見通しへのリスクは引き続きおおむね均衡とECBの認識とほぼ一致しているとしているが、南欧諸国の財政難を背景として、諸々の難題が山積していることには変わりがなく、ユーロは依然として波乱含みの展開が余儀なくされている。
いずれにしても、今晩の米雇用統計に左右される相場展開ではあるが、円売りが加速する中、クロス円全般にも高値警戒感が浮上しているため、ユーロドルを含めて、戻り売りに特化することが、相対的なリスクは軽減されるだろう。