ドル全面高に高値警戒!戻り売りに妙味?
世界同時株高の中、昨日発表された米2月ADP全国雇用者数が+19.8万人と、市場予想17.0万人より強い結果になっている。また、前月分も+19.2万人から+21.5万人へ上方修正されるなど、週末の米雇用統計への期待感が強まっている。そして、米1月製造業受注指数も予想より強い内容となったことが加わり、ドル買い優勢の展開になっている。
ただ、昨年、ADP雇用統計は算出方法や算出業者を変更し、政府が発表する米雇用統計との相関性が高くなっていると言われているが、依然として、不可解な側面も多々あるとの見解も少なく、今回のADPによる数値結果のみで、現状の米雇用情勢と単純比較できないとも言われている。
一方、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、大半の地区での個人消費拡大、自動車や住宅関連の好調など、米経済の緩やかな景気回復を示す内容となる中、NYダウは前日の史上最高値を更に更新するなど、米景気回復期待を背景に、ヘッジファンドなどの投機筋がドル買いを優先する中、ドル円は94円台を回復している。ただ、株価に対する高値警戒感も台頭しており、ドルを更に買い上げる機運に陰りが生じている。もう一段のドル上昇局面を待ってから、ドルの戻り売りを優先することも一考であろう。
他方、ユーロドルは、イタリアの政局不安には特に進展は見られないものの、欧州財政危機への警戒感から上値は限定的になっている。ユーロドルは節目である1.30を割り込む展開であるが、本日のECB理事会では金利据え置きが有力視される中、反面、利下げ観測も燻っている以上、ドル円と同様に戻り売りを優先して臨むことが賢明であろう。