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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

手がかり難否めず!直近のレンジ幅でじっくり待機?

昨日発表された米ISM非製造業景気指数が予想を上回ったことを受けて、NYダウ平均が史上最高値を更新、リーマンショック以前の水準まで回復したことから、相対的に米経済に対する先行期待がより一層強まっている。ただ、依然として、米財政の崖や高失業率などの問題が問われている段階なだけに、急ピッチの株価上昇には違和感が生じていることは否めない状況にはある。

一方、為替市場では、ドル円は日銀副総裁候補の岩田氏が外債購入の必要性を否定したことなどを受け、一時93.00円を割り込む場面もあったが、無制限の金融緩和策を背景とした株高に支えられる格好で底堅さを取り戻しつつあるが、依然として、欧州財政危機に関するリスク回避の動きは根強く、93円台半ば前後で試行錯誤が続いている。

他方、ユーロドルはドイツやユーロ圏の2月PMIサービス業が市場予想を上回ったこと等が好感され、欧州株全般が上昇する中、一時1.31台に迫る展開もあったが、明日に、ECB理事会や英中銀政策委員会が控え手いる関係上、市場参加者は様子見スタンスを強めており、ドル円と同様に、積極的な買いには繋がらず、引き続き1.30台半ば前後で膠着度を強めている。その中、IMFがスペインの金融改革に関して報告、スペインの金融改革は順調としているが、スペイン経済および金融の下振れリスクはなお高いことを示唆しており、イタリアの政局不安も踏まえて、当面、ユーロの上値は限定的と言わざるを得ないだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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